第四章
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「そこから幸せがはじまるというのに」
「ギリシアが復活しますね」
「今の経済危機とやからもな」
古代にはなかったのでこうした表現だ、神々も現代社会のことはわかっているが馴染みが薄いことも事実だ。
「脱出出来るが」
「希望があれば人は頑張れる」
ゼウスの正妻であるヘラも言った、牡牛の様に見事な目が美しい。
「それは事実ですが」
「わしはその希望を置いているのだぞ」
箱の中にというのだ。
「誰でも開く場所に置いているというのに」
「それがですね」
「本当に開けないな」
実にと言うのだった。
「何があっても」
「面倒臭いので」
「これが欧州の他の国の者なら開けるぞ」
絶対にと言うのだった。
「それこそな」
「ですが彼等は」
「ここまで怠け者とはな」
「流石にですか」
「思わなかった。どうせ破産するとだ」
「最初から諦めるというか」
「破産してもだ」
ギリシアという国家がだ。
「それでもどうにでもなる」
「そう考えてですね」
「今の怠けきった生活を続けている」
「他の様々な問題も訂正しようとせず」
「これではだ」
どうにもと言うのだった。
「駄目だというのに」
「こうなっては神罰しかないのでは」
アレスが強硬論を言ってきた。
「流石に」
「それでか」
「無理に働かせるしか」
「それもな」
ゼウスはアレスに対して難しい顔で返した。
「この場合は違うしな」
「神への冒頭等ではないからですか」
「人の道に離れているかというとな」
今のギリシア人達はというのだ。
「また違うからな」
「言われてみますと」
「そうだな」
「ただ怠けていい加減なことをしているだけで」
「ではな」
「神罰はですか」
「また違う」
与えるものではないというのだ。
「またな」
「それでは」
「それはしない」
これがゼウスの考えだった。
「わしはな」
「ですがこのままですと」
流石にアフロディーテもとうかという顔で言う。
「彼等はです」
「ずっとこのままでだな」
「はい」
そしてというのだ。
「経済破綻がです」
「起こるな」
「というか既にですから」
「そう言っていいしな」
「より悪化するかと」
このままではとだ、アフロディーテはさらに言った。
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