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いらんハーレム
第四章

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「正直俺はな」
「趣味はないか」
「てっきり美少年のな」
「ハーレムだと思っていたか」
「よくある漫画みたいにな」
「十八歳以下は犯罪であるしだ」
 祖父は潔癖だ、それで法律や人倫は守るのだ。
「それにわしの趣味ではない」
「祖父ちゃんの趣味は筋肉か」
「逞しい男の身体なのだ」
「全身毛だらけでか」
「そうだ、そしてだ」
「女の人は祖母ちゃん一人でか」
「おのこを相手にしてきておる」
 今の様にというのだ。
「そうしておる」
「そうなんだな」
「それがわかったな」
「最後まで見てな」
 酔っているがはっきりとした声で答えた。
「見させてもらったよ」
「それは何よりだ」
「それで返事はな」
 それの話をだ、健は自分からした。
「やっぱり俺はな」
「いいか」
「ああ、誰か他の人に譲るかな」
「解散か」
「どっちかにしてくれ。俺はいいよ」
 ハーレム、それはいらないというのだ。
「別にな」
「わかった、ではな」
「そういうことでな」
 こうしてだった、健は祖父のハーレムを譲り受けなかった。それで祖父は彼の次男にハーレムを譲ったが。
 健は大学を卒業して一族の企業の経営に加わり結婚し子供も持った、そして祖父が他界した時にだった。
 自分の子供達に墓参りの後で話した。
「立派だった」
「お祖父ちゃんはそうだったの」
「立派な人だったんだ」
「お父さんみたいに」
「お父さんよりもずっと立派だった」
 まだ小さい自分の子供達に真面目な顔で話した。
「器も大きくてな」
「器?」
「器っていうと」
「心が広い人だったんだ」
 彼は子供達にわかりやすい様に言い換えた。
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