第三章
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「おのこたるものおなごだけでなくじゃ」
「そっちもって思っていてか」
「本朝は古来よりそうだったからな」
だからだというのだ。
「わしは本朝の多くの偉人達の話を知りな」
「それでそっちの道もとって思ってか」
「そうしたおのこ達に声をかけていきな」
「人を集めてか」
「頷いた者だけでな」
自分のハーレムに入ることをというのだ。
「もうけた、ではな」
「これからか」
「うむ、わしの財産を見るがいい」
こう言ってだ、そしてだった。
健一郎は部屋の扉を開けた、すると。
そこに様々な男達がいた、眉目秀麗で少女の様な顔立ちの美少年はおらず。
毛深く逞しい身体つきの男達が褌やビキニパンツだけの姿で立って横一列に揃っていた、中には髭を生やした者もいる。
その彼等に対してだった、健一郎は告げた。
「今宵も楽しもうぞ」
「はい、それでは」
「お情けを頂きます」
男達は主に礼儀正しく応えた。
「これより」
「今宵も」
「我が孫が見ておるが」
健一郎は自ら着物を脱ぎつつ話した。
「これは後学の為、そしてお主達の次の主となるかどうか」
「そのことを決めて頂く」
「その為のものですか」
「そうだ、だからだ」
それでと言うのだ。
「だからだ」
「ここはですね」
「お孫様に見て頂くのですね」
「そうなる、見られるのを好まぬ者は下がれ」
「いえ」
男達は自分達の主に確かな顔で答えた。
「それはです」
「よいか」
「はい、我等は健一郎様に喜んで頂くだけです」
それ故にというのだった。
「お孫様にもです」
「我等の宴見て頂きます」
「これより」
「そうか、ではな」
健一郎は服を脱ぎ終えていた、白い褌一枚となったがその体格は姿勢がいいこともあって逞しく年齢を感じさせない。
その姿で男達の中に入った、あとは酒池肉林を中心とした宴となった。
健はその全てを見た、彼にとっては未知の世界でありこれまでの想像の範疇を遥かに超えたものだった、だが。
彼は祖父と男達の宴を最後まで見た、酒や食いものは彼も飲み食いしていいと告げられていたので最後までそちらを楽しんでいた。
そして朝になってだ、宴が終わり風呂の後で着物を着た祖父に問われた。
「どうであった」
「否定はしないさ」
健はすっかり酔った顔で答えた、酔っているが意識はある。
「別にな」
「こうした世界はか」
「ああ、けれどな」
それでもと言うのだった。
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