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報道しない自由
第四章

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 彼等は焦って言いだした。
「おい、まずいぞ」
「ああ、スポンサーが降りるとか言い出したな」
「報道の仕方に問題があるってな」
「俺達の過去まで言い出したぞ」
 過去の不祥事等も調べた者がいてスポンサーに言ったのだ。
「それでスポンサー降りるとかな」
「広告出さないとかな」
「テレビの方はCMで言われてるらしいな」
「あのこと報道しないとな」
「そう言いだしたからな」
 あの政党が拉致に関わっていた、このことをだ。
「これはまずいな」
「あのことを報道しないと駄目か」
「報道しないと降りるって本気で言っているスポンサーもいるしな」
「抗議位なら平気だったけれどな」
「スポンサーに言われるとまずい」
「金が入らなくなる」
「金が入らないと潰れるぞ」
 マスコミも企業だ、金がないとそうなるのは自明の理だ。
「それじゃあな」
「スポンサーの言うこと聞くしかないな」
「じゃあ報道するか」
「そうするしかないぞ」
 こうしてだった、その国の出先機関として資金援助を受けていると思われる企業以外は渋々ながらもだった。
 報道した、それでこのこともマスコミからしか情報を得ていない者達も知った。
「拉致していい人の名簿を作ってあの国に渡していた!?」
「そんなことしていたのか」
「こんなこと許されるか」
「とんでもない話じゃないか」
「もうあの政党の票なんて入れるか」
「というか犯罪だろ」
 日本中が紛糾する事態となった。
「あの政党を訴えろ!」
「刑事告訴だ!」
「外患誘致剤じゃないのか!」
「あんな政党許すな!」
「拉致はないとか言っていてこれか!」
 実は知っていたどころか協力していた、この事実が明らかになってだ。
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