8 奪われた秘密基地
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なのですよ」
「そうだったんだ・・・」
「それに貴女はその杖の使い方を示した本の解読に成功なされました。貴女には不思議な能力があるのです」
「な、何の話をしているのお?」
冬田は二人の話についていけなくなった。
「この山田かよ子ちゃんは他の人にはない不思議な能力があるという話ですよ」
「そうなのお!?山田さん、凄いわあ!」
「い、いや、でも、私、おっちょこちょいだし・・・」
「いいえ、貴女がおっちょこちょいなのはその能力の代償なのかもしれませんわよ。兎に角、そろそろ高台に近づきます。不意に私から手を離さないようにお気をつけてくださいね」
「はい・・・」
三人は高台に到着した。かよ子と冬田はフローレンスから手を離すと、そこに一本の大きな木が見えた。そこに梯子があり、そこに表札が見えた。表札には「大野、杉山、ブー太郎、まる子」の名前があり、「次郎長の秘密基地」と記されてあった。
「次郎長?」
「あの四人のグループの名前ですね」
「そうなんだ、まるちゃん達、この秘密基地を造るのを秘密にしてたんだね・・・」
「大野君、私も誘ってくれたらいいのにい・・・」
「貴女達、お隠れなさい。誰か来ますわ!」
フローレンスは足音を聞きつけ、二人に催促した。三人は低木の茂みに隠れた。その場に四人の少年少女が現れた。しかし、杉山達ではない。見知らぬ四人組だった。
「ここに俺達の町を守れる力があるのか?」
「うん・・・。そうだって言われたの・・・」
「それで秘密基地があるのか・・・。へえ、『次郎長の秘密基地』だってよ!名前も大野、杉山、ブー太郎、まる子?わけわかんねえな」
「山口、それ、グループ名じゃねえのか?」
「そのようだな、だが次郎長よりももっとカッコいい名前にしようぜ!」
「名案でやんす!」
(もしかしてあの子達、杉山君達が造った基地を・・・!!)
かよ子は危惧を感じた。もしかしたらあの少年達が杉山や大野、ブー太郎、まる子と敵対する相手ではないのかと・・・。
「フローレンスさん、止めなくていいんですか?」
「それはまだあの子達が悪い事をしていると決まったわけではないので今は様子を伺うしかできませんわ」
「そんな・・・!」
その時、冬田は冷静さを失って「や、やめてえ!大野君達が造った基地をお!」と絶叫してしまった。
「だ、誰だ!?」
少年達は振り向いた。彼らが周囲を確認した時は誰もいなかった。
かよ子と冬田、そしてフローレンスは別の場所へと避難していた。
「山田かよ子ちゃん、冬田美鈴ちゃん、彼等と貴女達のお友達との争いが起きるようでしたら、またお会いしてお伝えしますわ。それでは」
フローレンスは羽を広げ、どこかへ去った。
(杉山君、秘密を知ってごめんね・・・。でも、争いなんて
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