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おっちょこちょいのかよちゃん
8 奪われた秘密基地
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と思うけど・・・)
 かよ子は何も言えなかった。
「山田さあん、今日も大野君達を追跡するわよお!」
「う、うん・・・」
 冬田の積極的な提案に断れないかよ子であった。二人は一旦別れ、ランドセルを置くなり再び待ち合わせ、血眼になって捜索を始めた。だが、誰も見つける事ができなかった。
(もしかして今日は集まってないのかな・・・?)
 かよ子はそのような気がした。
「大野君達、いないわねえ・・・」
 二人が捜索に疲れてきたその時、一人の女性の姿が見えた。栗色のパーマがかかった長い髪をして若い成人女性のようないでたちだった。まさに美女そのものだった。
「貴女達」
 その女性は二人に話しかけてきた。透き通るような美しい声だった。
「もしかしてあの少年達を探しているのですか?」
「あの少年達・・・?」
「名前は大野けんいち君、杉山さとし君、富田太郎君、さくらももこちゃんと言いましたわね」
「・・・え!?」
 かよ子も冬田もその女性が今自分達が気になっている四人の名前を知って驚いた。
「す、杉山君達が何をやっているのか知ってるんですか!?」
「ええ、高台に秘密基地を造ったのですよ。ですが、そこに何か無駄な争いが起こる気配がするのです」
「無駄な争い・・・!?」
 二人は女性は超能力者なのかと一瞬恐ろしくなった。
「もしかして大野君達悪者になっちゃうんですかあ!?」
 冬田は我慢できずに質問した。
「いいえ、そうではありません。戦場は彼らが造った秘密基地なのです。そこを乗っ取ろうとした同じ四人の少年少女のグループと対決する可能性があるという事です」
「秘密基地・・・」
(もしかして杉山君達はその秘密基地を造る事を内緒にしていたの・・・?)
 かよ子は杉山達の秘密を知った事はスッキリしたが、秘密を知って彼らに悪いと思った事や、この女性が言う無駄な争いが起こると思うと逆に心がざわめいた。
「その秘密基地が造った高台を教えてくれますか?」
「ええ、いいですよ。私にお掴まりなさい」
 かよ子と冬田は女性の来ているワンピースのような白い布地を掴んだ。女性はいつの間にか背中に羽を生やし、ジャンプすると空を飛んだ。
(こ、この人、天使・・・!?)
 かよ子は推測した。
「あ、貴女は一体、誰・・・?」
「私?ああ、申し遅れましたわね。私はフローレンス。異世界から来た者です。私は人々の平和を維持しようと動いています」
「異世界から・・・?」
 かよ子は前にアレクサンドルとアンナの兄妹が来た時のように異世界の人間は皆この地球を攻撃する事ばかりが目的ではないと感じ取った。
「貴女は山田かよ子ちゃんですね。貴女のこの前の活躍は素晴らしかったですわ」
「え、ええ!?知ってるの!?」
「ええ、貴女の持ってる杖は私のいる世界のもの
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