開かれるパンドラの心
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「なんでっていうか、話を聞く限り四葉姉ちゃんはもう悪者ぶるのやめるんでしょ?だったら俺との契約も解消ってわけでー。俺が四葉姉ちゃんとつるむ必要もないじゃんね。だからころそっかなって」
「はあ!?」
「なんだよもー説明してあげてるのに怖いなー」
涼香の怒声に耳を塞ぐ千屠。四葉が、今にも途切れそうな言葉を紡ぐ。
「千屠はね……丁度一年前くらいにこの地方にやってきた。トレーナーを殺して金品を奪う強盗なんだ」
「四葉、喋らなくていいわ。……こいつは、私が燃やし尽くす」
「これは、僕の罪なんだ……涼香に対して悪であると決めた後、僕は直接彼を捕らえて取引、したんだ。罪を不問にしてあげるから、僕の言うことを聞いてくれって……」
「そーゆーこと。あんたらにちょっかいをかけて煽ったりー、後博士拉致ったりね。面倒だったけど、まあたまにはこういう計画的なことをしてみるのもいいかなーとか割とまんざらでもなかったのにさあ。全く、とんだ幕切れだよ!違約金として命くらいもらわないとさー、俺の気持ちが収まらないんだよね」
「……黙りなさい。あんたは……今ここで、灰にする!」
「やらせねーよバーカ!一旦退くよ、ダチ!」
千屠はジムの表門の方へと走り出す。涼香も走って追いかけようとしたが、傷の具合によっては予断を許さない四葉を見て追撃を躊躇った。
「ヘルガー、止まって!あいつはあんた一人で倒せない」
「僕は気にしないで……急所は、クローバーが避けてくれた、から。ごめん……千屠を、止めてくれ」
「あいつを手元に置いたのも、私の為なんでしょ。今救急車を呼ぶから、静かにしてて、私が見張るから……」
「いいや……今すぐ、彼を追いかけてほしい。千屠は……きっと、海奏達を狙いに行っただろうから」
「巡達を……!?」
千屠が走っていったのはジム側。命を貰う、というのは涼香達の方ではなく巡達を狙っているのだとしたら。
「私達のせいで、あの子たちを傷つけさせるわけにはいかない。……死んじゃダメよ」
「……うん。最後に、これを」
四葉が一つのモンスターボールを涼香に渡す。その中にいるポケモンを見て、涼香が驚いた。
「きっと、君の力に……後は、頼んだよ」
「……ありがとう、ずっと待っててくれて。まだまだ言わなきゃいけないことがあるから……もう少し、待っていて」
意識を失った四葉はクローバーに任せ、千屠を追いかける。自分の過去への決着はつけた。一番の親友の本心を知ることも出来た。だが、それだけでは終われない。これからを生きるため、一度旅を終えたトレーナーとしての責任を果たすため涼香は己の心を燃やす。
「こんな旅をさせてしまった罪は私が償う……絶対に」
ヒトモシを抱え、ヘルガーを隣に。自分と四葉の確執を終わらせまた歩
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