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Blazerk Monster
屠殺人は孤独という名の自由に踏み出す
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「奏海のだね……彼は手持ちも含めてナイーブなんだからあまりやりすぎないであげてくれよ」
「もー、気を付けろよダチー」
「オオーー」

 明らかに気のない返事。とはいえ千屠はなんだかんだオオタチのことはしっかりコントロールしているのでそれ以上心配することなく続ける。

「それでとりあえず途中の町に立ち寄った一行なんだけど、あろうことか博士誘拐の疑いをかけられちゃったんだよねー……本当の犯人のことも知らずにさ」
「玄輝は暴走しがちだからね。さすがにいきなり四天王とぶつける気はなかったのだけれど」
「でも、まあさすが一度はチャンピオンリーグを勝ち進んだトレーナーだよねー。邪眼の力を舐めるな!闇の炎に抱かれて消えろ!って感じで撃退しちゃった」
「……邪眼? まあ、玄輝から涼香と戦ったという報告は受けているけれども」

 四葉が初めて首を傾げる。

「あー、四葉姉ちゃんゲームとかやらなそうだもんね。とにかくヘルガーとヒトモシと一緒に怨念の力を使った炎でルガルガンを倒したんだよ。Zパワーに近くて、後物理的な炎じゃなくてゴーストか悪タイプの技に分類されそうだったね」
「強い憎しみを持つ彼女が人間を怨むヒトモシとヘルガーを連れたからこそ怒った現象かな……うん、流石は涼香だね」

 何か含みがありそうな四葉。千屠はそれを察したのか、次の言葉まで少し間を置いた。

「だけどさすがに引率者さんも疲れちゃったみたいでさ。そのあと倒れちゃったんだけど……新人くんたちはいいやつでねー。ちゃんと看病してあげた後、自分の罪を告白する引率者さんのことも割とあっさり許してたよ」
「……涼香は、もう話したのかい? 一年前の決勝戦のことを」
「うん、まあやむを得ずって感じではあったけどね」

 四葉は意外そうな顔をした。一年間、誰にも話せず、誰とも関わろうとしなかった涼香がそのことを打ち明けたことに対して何の感情を抱いているのかまでは、誰にも読み取れない。

「で、ここからが俺が直接四葉姉ちゃんに伝えたかったことなんだけど……」
「……涼香達はまだ第一ジムにもついてないはず。重要なことでもあったかい?」
「それはね……」

 千屠は立ち上がり、四葉の耳元で囁く。四葉の目が見開かれ、震えた声で言葉を漏らす。

「まさか……確かに今の話を聞く限り兆候はあるけれども……」
「あくまでこっそり見てた俺の勘だけどもねー。覚悟しておいた方がいいんじゃない?」
「……」

 その時、四葉の携帯するトレーナーカードが震える。一通のメールが届いたようだった。そこには、この旅の引率者からのメールが送られてきたと書いてあった。


『四葉。大事な話があるの。三日後の夕方、第一ジムの裏で会いましょう』


 二人はメールの内容を見る
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