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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― A
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何をする、外道!』とでも吠えながら飛び出していくべき場面であるのに、それを考えもしない自分へ抱くべきは失望か諦めか。

《知ったことではないわ、そんなモノ》

それら全ての迷いを、捨て去った。
何せ、そう言う存在であることは知っていたのだ。大を捨てて自分の感情を取り、人を殺すことに躊躇いはなく、死者の魂を平然と冒涜する。自らの感性にあてはめれば許されることのない外道であり。その上で、仲間として連れ戻すと。友人として向かい入れると。同士として同じ旗の下へ、と。
……一人の人間として、認めさせてみせる、と。
矛盾を承知の上で、そう決めてここにいるのだから!

「ディーン!」
「DEEEEEEeeeeeeEEEEEEEEN!!!」

焔を走らせ駆けつける、紅の鉄人形。その忠臣の肩に乗り、飛鳥は吠える。

「アルマ!」
『ええい、無茶を言う!』

自分へと放たれた主の意図を、彼女は正確にくみ取った。故に空を駆け、一輝の前に降り立つ。

「おや、なるほどそう来たか」
『えぇ、貴方のお相手は私が勤めます』
「いいのかい?そんなことをすれば、神霊があっちに行くぞ?」
『あなたも神霊でしょう』

どっちにせよ神霊を相手にするしかない状態である。

『ですがまぁ、同じ神霊を相手にするにしても、貴方と今のユースティティアであれば、後者の方が可能でしょう』
「あらら、バレてら」

言いつつ、指から繋がる呪力を通して命令。状況に応じてある程度の働きをする、と言う程度の人形。討伐者による強制支配は当然のこととして、一定量の命令を必要とした。それをアルマテイアの相手をしつつのコントロール……二分するのが正解の状況。飛鳥はそれを、正しく読み取っていた。

「そういうことなら、仕方ない……とっととお前を殺して(壊して)、あっちも殺しに(壊しに)行くか!」

言葉と共に、抜刀。鞘から表へ出た獅子王は、同時にその姿を変える。主の体より噴き出される妖力を吸い、より肉厚で、重く、幅広の剣に。
一輝はアジ=ダカーハ戦の後、自らの戦い方に修正を加えた。より正確に言えば、いくらかの切り落としを行った。肉体も日本刀より両手剣の類が使いやすいように、調整を加えている。それ故の、形を変えるだけの妖武装。

「んじゃ、始めようかアルマテイア。確固たる伝承を持つお前が、俺に勝てるかな?」
『大きく出ましたね、新神(しんじん)ッ!』

瞬間、剣と角が衝突する。



 ========



身に着ける武器を確認する。残るのは、両手につけるガントレット。そこには、二つの宝玉。氷結と燃焼を起こす程度のそれ。十分だ、そもそも大した武器を扱えるわけではない。
状況を確認する。一輝はアルマへ剣を向け、振るいつつディーンの動
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