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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― A
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分な脅威となる。

それに対して、前衛を担当。三頭龍の姿で追ってくる彼はどうなのかと言えば……はっきり言って、大きく劣る。だからと言って弱いというわけではないが、今の彼は十六夜一人でも倒し切れる可能性が存在するレベル。何故そんなことになってるかと言えば、

「なぁオイ絶対悪の魔王サマ!随分と戦いづらそうじゃねぇか!」
『魔王ではない。元魔王、現ノーネームの執事だ』
「……いや、オマエそんなキャラだったか?」

すっかり一輝に毒されたというか、なんと言うか。だがそれはそれとして、

「疑似創星図が使えない、ってのは随分と不便なもんだな!」
『否定はすまい。あれが私の魔王としての脅威を高めていたのは事実だ』

今回は特殊ルールによって、「参加者を対象とする疑似創星図の使用」が禁止されている。それ故になのか一輝の檻の中に残しているのかは定かではないが、なんにせよ彼は疑似創星図を使うことが出来ない(・・・・・・・・・・・・・・・)

さて、そうであるのなら。この神霊二人は、

《想定通り、俺の手で十二分に倒し切れる》

焦るな。この神霊二人には確実に勝てる。
急げ。自分の役割はまだ先だが、それでも早く倒し切らなければならない理由がある。

この二人を倒す手段は決まっている。であれば後は、それを用いることのできる状況までどのようにして追い込むか。今の彼は、そのための手段を無数に保有している。
高い思考能力を用いて、対策を組み立てる。神霊二柱の撃破などと言う普通であれば不可能でしかないミッションに対し、彼はこの上なく冷静だった。



 ========



「まぁ、とはいえ、だ。もう手が無いとは、一言も言ってないぞ?」

などと告げ。飛鳥の式神に倒される妖怪たちに見向きもせず、己が内へ意識を向けた。

「天秤を此処に成せ」
『ッ、マズい!!』

いつ攻め込むかと考えていたアルマは、その言霊で全てを察した。そう、彼の内に封じられた埒外は、まだ存在する!

「汝、善悪の天秤を成す者。汝、天秤を釣り合わせる者。汝、何一つ望まぬ機械」

狙いがバレたことにはもう気付いている。それでもなお、言霊を途切れさせることはない。不意を突くことが目的ではなく、対抗策を準備することが目的なのだから。

「さぁ、降臨せよ。傀儡・ユースティティア!」

瞬間。一輝の体から金色の光が漏れだし、それが一点に集まりだす。その総量は、蚩尤やアジ=ダカーハと変わらない……ユースティティアの名に恥じない、神霊のもの。
光が集う。形を作る。情欲を誘う肉体を白の衣で包み、目隠しと剣を身に着けた、一柱の女神。返却したが故にその手から天秤は失われているが――その能力値は、この場において翳むことのない水準に存在する。
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