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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― A
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ぁ当然、突き破られる。引き抜いた獅子王を追加で盾とし、自らも後ろへ飛んで回避する。
「はー、やっぱり
僕
(
しもべ
)
のレベルがアルマやディーンと比べると低すぎるなぁ」
呟きつつ、率いる者として檻から妖怪を召喚していく。神殿を奪えなかった以上式神も妖怪も大して役には立たないが、それでも率いる者として召喚をしなければならないのだ。
「あら、そうと分かった上であの配下たちを送りこんだのではなくて?」
「いやはや全くもってその通り。そうと分かった上で、あれくらいの数差し向けないといけない辛さが分かるか?」
「知ったことではないわ。そんなゲームを開催したのは貴方でしょう?」
「このゲーム、別に俺がルール設定したわけじゃないんだけどなぁ」
========
駆ける。駆ける。駆ける。
森の中を駆け、背後や横を走るそれらの影に追いつかれまいと全力を尽くす。相手は数も質も高い。一対一であれば確実に勝てるとしても、数が集まればそれは力になる。だから、今の選択肢は……
「そこ……ッ!」
マルコシアスの恩恵。それをフルに活用して、迫ってきた敵を蹴り飛ばす。当たってから、それが是害坊であることに気付いた。絶好の機会、空を飛べる相手はここで潰す!
「これで、終わり……!」
鷲獅子の恩恵。その勢いを乗せ、蹴り飛ばした是害坊の腹部へ再びの痛撃。次の狙いは、
「首、取った!」
体勢を立て直す前に、トドメの一撃。首へ足をかけ力づくでへし折った。そして、
「次……!」
差し向けられた霊獣は七体。是害坊は今倒したので、残りは白澤、ユラン、九尾、パロロコン、ダイダラボッチ、八面王。空を飛べるのはパロロコンとユランの竜種二体。そこを抑えれば、有利はこちらのものになる!
「すぐに、片付ける……!」
首元の生命の目録へ手をかける。特殊勝利条件、その内容ゆえに一人が役割を果たしたところで意味は無い。それでも、同士が問題なく勝ち残ると信じて……!
========
持ち前の身体能力を使い、逃げながら攻撃を避ける。白い竜の拳をいなし、三面六臂から放たれる武器の数々は刃の有無を確認して対処する。
《やっぱりそうか……脅威としては、蚩尤が圧倒的に上だ》
そんなことを何度か繰り返し、十六夜はそう判断した。
後衛を担当している、中華の軍神・蚩尤。十六夜が樹木に囲まれた場所を逃げ続けているためだろう、彼は現在人間体で追ってきている。十代前半程度の身体でありながらそこに宿る力は生命の埒外に存在し、保有する権能によって『武器』と分類されるもの全てを作り出し用いることができる。銃をはじめとする「刃物」の概念が存在しない武器を権能で作りだされれば、それは彼にとっても十二
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