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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― A
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全力で戦えてしまう。そっちへの勝ち目は……高く見積もっても0パーセントかな!』

笑顔ではっきりそう言われてしまえば、腹が立ったとしても言い返せるものではなく。不利な戦いであると知ってなお、その挑戦を続けなければならない。

『今警戒しなければならないのは三つ。一つ、いつ式神の群れに木っ端妖怪が混ざるのか。二つ、一輝くん本人への攻撃を行わない。そして三つ、いつ彼が呪術を使用してくるのか』

それらへと完璧な対処をすれば、強制的に上げられる出力の差によって力技ではあるもののどうにか押し切ることが出来る。それらへの対処を間違えれば、自分は一瞬で消滅しかねない。ギリギリの綱渡り。

「式神混成・狼刀(ろうとう)、急急如律令」
「押し潰しなさい、ディーン!」

そして、三つめが使用された。言葉には力が宿る、故にその術名は術の在り方を体現しているはず。狼の刀。武装か特殊な式神か。こちらから干渉しない限りゲームルールによって彼本人は攻撃できないので、後者で間違いない。式神の域を出ていないのであれば、ディーンに敗北はない。しつこく食らいつかんと迫る刃は、拳によって叩き潰された。

攻め手を繰り出してくると同時にそれを叩きつぶし、さらにディーンの巨体によって敵の行動も遮られた。この瞬間が、またとない好機!

「アルマ!」

すかさず、乗騎へと命令を下す。聡明な彼女はその意図を正しく読み取り、地面に降りて主を降ろす。手をついて、ギフトを行使。土地へ疑似神格を付与することによって、神殿構築を行う。急げ、だが急ぎ過ぎて土地の霊格を焼き尽くすな。

「構築、できた……!式神よ!」

自らの領域を作成し、それに合わせて式神を追加展開する。戦うための準備を整える。樹々や土地もさらに掌握、これで……!

「ふぅん、器用なもんだ。神霊がルーツにあるとはいえ、ここまで見事にやるもんか」

攻め手に移れる。そう考えたところで、飛鳥とアルマの背後から一輝の声が聞こえてくる。飛鳥が振り返るのと同時に、アルマが一輝と飛鳥の間に入りこむ。

「……そう言えば」

平然と式神を展開し配下を従える一輝に対し、アルマが告げる。

「今の貴方の在り方は、百鬼夜行の主たるぬらりひょんの物。他人の領域に入りこむのはお手の物と言うわけですか」
「ま、そう言うこったな。むしろルーツ的にはこっちが本質と言っても過言じゃないし」

言いつつ、手に握る神刀・獅子王を逆手に握り地面へと突き立て、

「神殿にあるべきは、純粋な神霊だろう?」

構築された神域を奪い取りにかかる!

「アルマ、追い出して!」

それをされてはたまったものではない。準備が整っていない段階だが、それでも一輝への直接攻撃を指示する。躊躇うことなく式神を盾にするが……ま
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