第一章
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湖の巨獣
ラウル=ピエトリとマルコ=リョサは今はピエトリの神託でベネズエラのマラカイボに来ていた、この街は名前の通りマラカイボ湖の湖口にありその水運とこの世界では今まさに使われだしている石油で潤っていた。
だが今街には不穏な噂が流れていた、何と街だけでなくベネズエラ全体を潤していると言ってもいい湖にだ。
多くのモンスターが出没しだしていてその中にとりわけ巨大な禍々しい姿のモンスターが出没してきたのだ、それでだった。
ピエトリはリョサにすぐに深刻な顔で言った、やはり彼は真面目であった。
「これはな」
「すぐにやな」
「湖に行ってな」
そしてと言うのだった。
「ことの事実を確かめてな」
「そしてやな」
「そや、すぐにな」
まさに即座にというのだ。
「モンスターがほんまにおったらな」
「退治するな」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「街のそしてベネズエラの不安の種を摘む」
「そうするな」
「さもないとや」
それこそというのだ。
「このマラカイボだけやなくてベネズエラもな」
「危うくなるな」
「それでな」
そうなるからだというのだ。
「神託うんぬんかんぬん以前に」
「街、そしてベネズエラの危機をやな」
「解決する」
「そうするな」
「その為にも」
ピエトリはリョサに真面目な声で述べた、リョサも真面目であるが彼も真面目でありやり取りはまさに以心伝心だった。
「今から船を借りて」
「そうしてやな」
「湖に漕ぎ出すで」
そうしてモンスター達も探そうというのだ、ことの次第を。こう話してだった。
ピエトリはリョサと共に船で湖に出た、だがすぐにだった。
湖で多くの船がおろおろしているのが見えた、湖の港の入り口で多くの船達がうろうろしていた。それでだった。
ピエトリは自分達が乗っている船をそのうちの一隻に寄せて何があったのか旅の冒険者と身分を隠したうえで聞いた、するとその船に乗っていた若い船乗りである猫人が言ってきた。彼は自分から名前をエルナーニ=チェベスと名乗った。
「どうしたもこうしたもないよ」
「モンスターが出てるって聞いたけど」
「そうさ、その中でもな」
「噂の巨大な」
「それが湖の真ん中に見えたってな」
その様にというのだ。
「皆大騒ぎでな」
「湖の方にか」
「行くに行けないで」
「漁をするにも岸辺の他の街に行くにも」
「油田から石油を発掘するにもな」
そうしたことをしようにもというのだ、この世界の十星連合の技術は科学だけでなく魔術や錬金術も併せて使てっていて石油が漏れるリスクは非常に少なくなっている。
「そんなモンスターがいてな」
「迂闊にはか」
「行けないでな」
「困ってるか」
「そうだよ、
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