第三章
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「それでもいいか?」
「ここ出来てからもう何年も経つけれどな」
「これまで沢山の冒険者が挑戦したけれど一人もだぜ」
「半分がギブアップして半分が死んでるんだ」
そして復活させられているというのだ。
「そんな場所だぜ」
「そんなのでもいいのか?」
「本当に挑戦するか?」
「生き返った時に何も言わないでくれよ」
「言わんわ」
エチェニケは犀人のその顔で自信満々で言い切った。
「そしてゴールする」
「自信があるのはいいけれどな」
「本当にいいんだな」
「まあギブアップしたらその時はこのボタン押してくれ」
「すぐにこっちに戻るからな」
こう言って二人にそれぞれスイッチも出して来た。
「これは絶対に持ってくれよ」
「持たないと中に入れないからな」
「入場料も払ってな」
「これも持ってくれよ」
「わかった」
ここでも頷いてだ、そしてだった。
二人は入場料を払ってスイッチを貰ってだ。そうしてそのうえでだった。
迷宮の中に入った、するとエチェニケはすぐにアルゲダスに言った。
「見えるわ」
「といいますと」
「迷宮の中にも風が流れてる」
「街の外と同じで」
「そや」
それでと言うのだった。
「どうやらわしは街の中でもな」
「こうした場所はですか」
「野生の感じでな」
「風を感じられますか」
「空気もな、ほなな」
「風と空気が教えてくれるままに」
「先に進む、この二つが教えてくれる」
風と空気がというのだ。
「密林や高原でそうである様に」
「そして洞窟でも」
「街の中でも野生はあるか」
エチェニケはこのことも感じ取った。
「そういうことか、ほなな」
「その空気のままに」
「先に進むで」
「わかりました、では僕も」
アルゲダスはエチェニケの言葉に確かな顔で頷いた、シルキーの海豹の皮を脱ぐとそこには少女の様に整った人のそれに近い人間の顔がある。
その顔でだ、エチェニケに言った。
「ご一緒させてもらいます」
「いつも悪いな」
「いえ、エチェニケさんと一緒にいる」
セプルベダは今度は微笑んで話した。
「決めていますので」
「そやからか」
「今回もです」
「わしと一緒にか」
「行かせてもらいます」
こう言ってだった、アルゲダスはエチェニケと共に行くのだった。そうしてそのうえで二人でだった。
迷宮を進みはじめた、迷宮の中は彼が言う通りに確かに非常に複雑で曲がりくねった通路に玄室があり通路の幅と高さも色もまちまちだった。それが感覚を狂わせて余計に迷宮の難易度を上げていた。
そのうえモンスター達も出て来た、中南米独特の強力なモンスター達が出て来てだ。そうしてだった。
二人に襲い掛かる、獣やモンスターも強力なものばかりでしかも数が多かった。尚
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