第五十二話 おせちひのきしんその十四
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「先輩が思われることは」
「どうかしたの?」
「いえ、おみちにも熱心で教会長さんにも」
「阿波野君が教会長さんね。熱いし真面目なところもあるけれどやっぱりいい加減で適当な子だから」
私が思う阿波野君はこうした子です。
「しかもずけずけ言ったりするから。いい奥さんがいてくれたらね」
「そこです、奥さんですよ」
「はい、先輩何か思われません?」
二年の娘も言ってきました。
「そこで」
「そこでって何を?」
「はい、奥さんと聞いて」
「別に。というか阿波野君も幸せに結婚出来ればいいわね」
「その子もですか」
「そう思うわ」
「そう、ですか」
何か残念そうな返事でした。
「それだけなんですね」
「そうだけれど」
「あの、先輩って男の子とお付き合いしたことはないんですよね」
「一度もないわよ」
一年生の娘に答えました。
「さっきもそうしたお話だったけれど」
「そうですよね」
「手を握ったこともないわよ」
キスなんて想像する位です。
「そうだけれど」
「そうですよね」
「そうですよねって。変な言い方だけれど」
「いえ、そうした先輩ですから」
それでというのです。
「納得出来ます」
「納得っていうと」
「いえ、今のお言葉は」
「私もです。恋愛をもっと勉強された方がいいですよ」
「そうなのね」
「はい、そうして下さい」
「絶対にです」
こう言ってきました、そんなお話をしつつです。
私達はおせちひのきしん一日目を終えました、そして二日目三日目も終わっていよいよおさづけの理拝戴の時となりました。
第五十二話 完
2018・6・9
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