第百五十話
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第百五十話 白と黒
パスタが来た、最初のパスタはカルボナーラだった。
そのカルボナーラを前にしてだった、既にチーズを食べ終えていた二人は笑顔でこんな話をしたのだった。
「このパスタもね」
「美味しいですね」
「カルボナーラは」
カーミラは言うのだった。
「素敵なイタリア料理よ」
「そのうちの一つですね」
「このパスタが生まれた時はね」
その時はというと。
「戦争中だったけれどね」
「第二次世界大戦ですか」
「そう、その時に生まれた比較的新しいスパゲティなのよ」
そうだというのだ。
「これはね」
「かなり濃い味ですよね」
「そうよ、私も好きよ」
「生クリームと卵の黄身とベーコンと黒胡椒を使って」
そしてというのだ。
「そうした味になっていて」
「美味しいのですね」
「かなりね、では今からね」
「はい、これから」
雪路も笑顔で言ってだった。二人で食べはじめるが。
雪路はそのパスタを食べてこう言った。
「大蒜もオリーブオイルも」
「かなり効いてるわね」
「はい、そのせいで」
「かなり美味しいわね」
「そう思います」
「そうね、だから私はこのお店が好きなの」
カーミラも食べつつ言うのだった。
「それで貴女にもよ」
「紹介してくれたのですね」
「今ね、そしてね」
カーミラはさらに言った。
「カルボナーラの次は」
「どういったスパゲティでしょうか」
「ネーロよ」
このスパゲティだというのだ。
「イカ墨のね」
「ああ、あのスパゲティですか」
「カルボナーラは白だけれど」
「イカ墨は黒ですね」
「それを食べましょう」
「わかりました」
「そういうことでね」
カーミラも食べつつ言う。
「飲むこともね」
「していきますね」
「ええ、お昼も」
「そうさせてもらいます」
雪路はカルボナーラを食べつつ応えた、そしてその次のネーロ黒いスパゲティにも思いを馳せるのだった。
第百五十話 完
2019・4・14
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