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ある晴れた日に
470部分:夕星の歌その十
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夕星の歌その十

 暫くただ思いつくままにギターを奏でた。それが終わってから彼は明星を見上げながら一人公園を出た。落ち着いた気持ちになり酔いが幾分か醒めたうえでふと思ったのだった。
「あの人は」
 未晴とほぼ同じと言っていいあの顔を思い出したのだ。
「言ってたな。何時でも来ていいか」
 その言葉を思い出したのだ。
「それにだ。あいつは」
 次に未晴のことを思い出すのだった。
「俺の音楽を聴いてくれた。若しかしたら」
 確信はない。むしろ絶望的だ。しかし彼はその中で決めたのだ。
 この曲に反応してくれてそこから何かが起こるかも知れない、こう考える方がどうかしていると自分でも思うが今はそれでも真剣だった。
 空には明星が輝き続けている。彼はその今は空にたった一つだけあるその星を見ながら公園を完全に出た。そうしてそのうえでそこを去るのだった。
 それですぐに家に戻り風呂で酒をかなり抜いてから作詞作曲に取り掛かった。それは学校でも続いた。
 昨日までとはうって変わって熱心にギターを抱きながら作詞と作曲を行う彼を見て。皆ここでまた怪訝な顔になって言い合うのであった。
「確か昨日飲んだんだよな」
「猛虎堂で」
「ああ、そうさ」
 佐々は野茂と坪本の問いにあるがまま答えた。
「焼酎三本な。きっちり空けていったぜ」
「それで全然平気じゃねえか」
「昨日まで明らかに二日酔いだったのによ」
「牛乳が効いたのかしら」
 明日夢はそこにその理由を見出そうとした。
「それでかしら」
「それもあるだろうな」
 佐々もそこに今の正道の状況の幾分かの根拠を見てはいた。
「けれどな。それでもあそこまでしゃんとはしないだろ」
「何かあったのかね」
「やっぱりな」
 今度は坂上と野本が言う。
「その何かが問題だけれどな」
「あそこまで熱中するっていうのもあいつにとっちゃあまりないことだしな」
「あれじゃね?」
 春華は自分の首を少し右に傾けさせてから皆に述べた。
「何かよ。気持ちを切り替えるすげえことがあったんじゃねえのかな」
「凄いことって何よ」
「何なのよ、それ」
 咲と奈々瀬がそれが何なのかよくわからずその春華に問い返した。
「昨日まであんなに飲んだくれていたのに」
「それがすぐにあそこまでなるし」
「何かあったのは確実ね」
 茜もそれは感じ取ることができた。
「何があったのかはわからないけれどよかったじゃない」
「いいの、それで」
「何はともあれね」
 こう静華に応えもする茜だった。
「あいつがああなったのならね」
「そうね。立ち直って何よりだわ」
 凛もそれは喜ぶことはできた。しかしだった。
 皆ここでその彼からもう一つのものを感じていたのだ。それは」
「それでもな」
「ええ、そ
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