469部分:夕星の歌その九
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触を感じてた。
「やった奴は人間ではないな」
本能的にこう思ったのである。
「外道は何処にでもいるか」
だがそれで酔いが幾分か醒めてしまったのも確かであった。それでその頭で空を見上げるとだった。夕暮れの中に一つだけ輝く星があった。
「あれは」
その星が何かはもうすぐにわかった。
「明星か」
先程のカップルが楽しそうに話をしていたあの星だ。それを思い出したのだ。
「まさか今ここで見るとはな」
彼にとっても全くの予想外の出来事だった。
しかしそれでも。その明星を見て何故か心が落ち着くのだった。あの未晴の姿を見てしまって以来ここまで落ち着いたことはなかった。
その落ち着いた気持ちで上を見上げ続ける。そうして自然とギターを手に取っていた。
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