第二章
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「間違いなく」
「そう思われますか」
「今朝からやな」
「二人共昨晩まではいたのです」
その時まではとだ、神官長は答えた。
「ですが」
「朝部屋に入ったらか」
「消えていました、煙の様に」
「二人を狙ってるおかしな奴おったやろ」
セプルベダは今度は自分から言った。
「そやろ」
「はい、実は街のギャングの頭目で鬼族の者がいまして」
「ああ、同族やとな」
美意識が同じでしかも子孫も残せる、それならというのだ。
「もうな」
「間違いないとですか」
「わしは思う、ほなそのギャングの頭目がか」
「怪しいと覆っていますが」
「相当規模の大きなギャングか」
「サンチアゴだけでなくこの辺り一帯の裏社会を牛耳る」
「そこまでの組織となると」
どうかとだ、セプルベダはかつてチリを治めて今は十星連合を治める者の一人としてそのうえで神官に述べた。
「キヨハラロスファミリーか」
「あの組織かと」
「連中何度も成敗してるが」
それでもとだ、セプルベダは苦い顔で言った。
「ほんましぶといな」
「セプルベダさんもご自身で、でしたね」
「ああ、成敗してるけどな」
「とかくあそこの頭目は諦めが悪く」
「あいつ牢屋におるけどな」
「厳重な独房に。ですが」
「独房の中におるのは替え玉か」
このこともだ、セプルベダは直観的に察した。
「そうか」
「まさか」
「いや、あいつ位になると替え玉はな」
これクリアはというのだ。
「普通やからな」
「だからですか」
「本物はサンチアゴにおる、そしてな」
「姉妹の巫女達をですか」
「攫わせたんや、神殿の中に協力者もおるな」
「まさか」
「いや、さもないとな」
それこそと言うのだった。
「神殿の中から攫われることはな」
「ないですか」
「よくある話やろ」
「そもそも宗教は」
ダリーオも言ってきた。
「寄付を受けますな」
「それはこの神殿も同じやな」
「はい」
神官は素直に答えた。
「それは」
「その寄付を受ける時にな」
「この神殿の誰かがですか」
「連中とつながってな」
そこで縁が出来てというのだ。
「そいつのツテでや」
「二人は攫われたのですか」
「それぞれの神殿でな」
「今神殿はお祭りのことで忙しいですが」
ダリーオはまた言った。
「しかし」
「その中で、ですか」
「人は忙しいと周りが見えなくなる」
セペルベダはこのことも指摘した。
「そこでや」
「誰も気付かないうちに」
「動いたな、まずは寄付を受け取る係から調べるか」
「それでは」
神官はすぐに神官長にも話してだった、セペルベダ達は早速だった。寄付を受け取る者から調べることにした。
そうしてだ、寄付を受け取る係だった巫女でそれぞれ
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