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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
5.104訓練分隊T
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!死ぬまで走れぇ!!!ペース上げんだよ!ケツばっかり振ってんじゃねぇ!」
「はい!教官殿!」
「何て言ったか聞こえねぇんだよブタ野郎!鳴くならもっとでかい声で鳴け!」
「はい!!!教官殿!!!」
踏んだり蹴ったりである。その後死ぬ気でペースを上げたが田上が巧に追いつくことはなかった。罰として腕立て伏せ200回。教官の返事にぼんやりと答えた巧も強制されることになったが、巧はそんなに堪えていないようだった。

「遠田…お前本当に16歳なのか?」
その後、さまざまな訓練が行われたが、やはり巧は誰よりも上手くこなした。ただ机上演習では田上の方が上だったが。
「年齢詐称してどうするんだよ。正真正銘16歳だ。」
「いやだってよ、お前みたいな16歳いるわけないだろ。あの訓練を涼しい顔でこなしやがって。」
「俺だってキツイよ。ただ前から厳しい訓練やってきたから厳しさに慣れてるだけ。それに教官もいつも怒鳴ってるけど訓練自体は限界ぎりぎりの所を見極めてるから、自分でそこまでやれば怒鳴られないよ。弱み見せたら教官が怒鳴ってくるだろ。目つけられたら追加があるだろうし。ま、ポーカーフェイスってやつだ。」
「ポーカーフェイスねぇ。それができりゃ苦労はないんだが…。まあいい。ひとつ相談なんだが、」
「うん?」
「お前分隊長代わらないか?どう考えてもお前の方が適任だろう。」
「いや無理だろ。何か勘違いしてるみたいだけどリーダーとしての力量は田上の方が上だよ。俺は一人で訓練してきたからさ、仲間ってのは初めてなんだ。それに分隊のみんなのこともまだよく知らないし。」
「でも実力で負けてるのに分隊長を名乗るってのもなぁ。」
「分隊長の仕事ってのは隊の力を最大限に発揮することだろ。力は関係ないよ。田上は俺って新参者を如何に使うかを考えてくれればいい。」
巧に足りないものは意外と多い。軍人として過ごした期間が少ないためにまだ特殊な上下関係に慣れていないこと、連携の取り方がまだ分かっていないこと、戦略的な視点から隊を運用したことがないこと。要するにチームワークや軍隊で足並みを揃えることが出来ないのである。こればかりは才能ではなく経験や隊員に対する理解度がものを言うのだ。
「そうか?でもお手柔らかにな。正直言ってお前といると色々自信をなくしそうだ。」
「それとこれは別。俺は手を抜かないよ。何て言うか気持ちの問題で手を抜くと不完全燃焼で気持ち悪いんだよね。」
子供のころからの経験からいつの間にか訓練マニアになっていた巧であった。

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巧は最初こそ隊で浮いていたが、総戦技演習が近づくにつれ分隊の隊員から歩み寄ってくれるようになった。それには田上の尽力もあった。田上は色々な意味
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