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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
5.104訓練分隊T
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ていない。
しばらく遠田と言葉を交わし、三田はこう決断した。
「分かった。ではこうしよう。前回の総戦技演習に落ちた班に編入して、次の総戦技演習に参加してもらう。訓練兵と言ってももう一通りの技術は身に付いているし、訓練兵よりは実力差はないだろう。君はすでに優れた戦士かもしれないが、軍で必要なのは優れた軍人だ。軍という組織になじんでもらうためにはいくら優秀とは言って軍人としての訓練を積んでもらう必要がある。」
「父や師匠からもそう言われました。軍という組織は特殊だから慣れる必要があると。」
「そうか。分っているなら良いだろう。それと君の志望している訓練校は厚木ということだが、何か理由があるのかい?」
「厚木基地には米軍戦術機部隊がいますから、技術面で学ぶところが大きいのではないかと思いました。父の仕事の影響で、戦術機の開発にも携わりたいと考えていまして。」
「なるほど、備考欄に書いておくよ。じゃあこの書類にサインしてください。ああ、あと訓練校は君が希望した通りになるだろうからそのつもりで。」
「はい。これからお世話になります。」
「うむ。帝国軍は貴様を歓迎する!訓練に励み、国に尽くせ!」
サインを書き終えた巧に軍人としての口調で激励を送る三田。この日から巧は軍人としての道を歩き始めることになる。

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巧が所属した部隊は帝国軍厚木訓練学校、104訓練分隊という隊だった。巧が教官に紹介された時のメンバーの表情からは『遠田の坊ちゃんかよ。面倒事押し付けられた。』という気持ちがありありと出ていたが、訓練が始まるとその気持ちは吹っ飛んだ。

「おらぁ!!田上ぃぃ!貴様何回中学生上がりに抜かされるつもりだ!!!それでも分隊長か!?あぁ!!?」
教官の怒声が響く。田上は104分隊の分隊長である。隊の中でも座学、実技ともに優秀であった。そして今日体調は悪くなく、いつもの厳しい訓練も乗り越えられる自信があった。
しかし昨日編入してきた遠田のボンボンは田上など問題にならないほど逸材だったらしい。田上は侮っていた自分を殴り飛ばしたい気分だった。抜き去っていった巧は完全装備の上、小銃を抱えて走っている。それに対して自分はBDUだけ。20kgは重さが違う。それなのに顔色一つ変えずに走り去っていく巧。信じられないものを見るような気持だった。
(冗談だろ!何なんだあいつは!?)
そんなことを考えているとまた教官から檄が飛ぶ。
「田上ぃぃ!!!へばったか!?中学生からやり直すか!?どうなんだ!!」
「いいえ!教官殿!」
「よぉし!良く言ったぞオカマ野郎!言ったからには走れよ?おらおら走れ
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