第五十二話 おせちひのきしんその十二
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「とはいってもこういうものかしらとか思ってるけれど」
「実際に高校時代に恋愛はない、ですか」
「先輩の場合は」
「あればいいって思ったりもしてたわ」
実際にそうも思っていました。
「けれど縁がなかったってことね」
「あの、阿波野君と最近仲いいですよね」
一年の娘がここで阿波野君の名前を出してきました。
「そのことは」
「交際とかじゃないわよ」
私はこのことははっきりと答えました。
「別にね」
「そうなんですか?」
「ええ、別にね」
特にです。
「何もないから」
「本当にそうですか?」
「そうよ。色々言われているけれど」
それでもです、私自身が言うから間違いありません」
「そんなことはないから」
「そうなんですか」
「本当に先輩後輩でしかないから」
「一年の娘の間で話題になってますけれど」
「私が阿波野君と付き合ってるって?」
「はい、違うんですね」
「違うわよ、絶対に」
思わず眉を顰めさせて否定しました。
「毎日会うけれど」
「それでもですか」
「そうよ、何もないから」
「何か阿波野君本人に聞きますと」
「えっ、貴女阿波野君のお友達?」
思わず一年の娘に聞き返してしまいました。
「そうなの?」
「結構お話します、面白い人ですよね」
「面白いって言われるとそうだけれど」
このことは否定しませんでした、お話していていい加減と思ったことは多いですが悪い子ではないことは確かで面白くもあります。
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