第7章:神界大戦
第209話「真の脅威」
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壁で防ぎきる事も、躱しきる事も不可能だ。
出来る事と言えば、ダメージを可能な限り減らす事。
それすら出来ない者は、容赦なく吹き飛ばされていた。
「……あのとこよさんですら、中堅程度の強さにしか食い込めない。その情報すら信用ならないが、それが本当なら……総じて、個々の実力は向こうが上、か」
閃光の雨を出来る限り逸らし、躱し、ダメージに耐えつつ優輝はそう結論付ける。
分かっていた事、理解していたはずの事だ。
だが、今までの戦いが上手く行っていたために、僅かにでも失念していた。
……本来なら、多少の小細工程度では押し潰される戦力差なのだ。
「(一度でも拮抗が崩れれば、そこからは敗北一直線だ。……その流れを、変える!)」
―――“霊魔相乗”
「二倍だっ!」
霊力と魔力が螺旋状に混じり合い、身体能力を飛躍的に向上させる。
……ただし、その密度は緋雪達と違い、二倍のものとなっていた。
「シッ!」
優輝は、既に一度霊魔相乗を完全に制御できるようになった。
そして、ならばと次はその効果を底上げする行為に出たのだ。
結果、相乗の密度を上げる事によって、限界以上の力が引き出せるようになった。
「ッづ!?」
「ふっ!」
その効果は凄まじかった。
神界において、負担を度外視できるために優輝は常に全力全開だ。
全力の身体強化であれば、それはとこよやサーラですら動きが見切れなくなっていた。
奏の瞬間的な速さをも上回る身体能力で、一気に神々を打ちのめす。
「くっ……ぉおっ!!」
制御が甘いため、導王流の扱いが甘くなる欠点がある。
しかし、それを考慮しても崩れかけた戦線を盛り返した。
掌底やリヒトを用いて神を次々と吹き飛ばし、仕切り直しのように間合いを空ける。
「薙ぎ払え、焔閃!!」
そして、そのまま一掃する勢いでリヒトを振る―――
「ッッ―――!!?」
―――おうとした所で、咄嗟に飛び退いた。
刹那、寸前までいた箇所を“闇”が塗り潰した。
「躱しますか。さすがの速さです」
「ッ、ぁ……!」
……果たして、ソレを直視して震えずにいられたのは何人だけだったのか。
濃密な“闇”の気配が、目で見て分かる程にまとわりついていた。
「……ああ、そうか」
その存在を目にして、自ずと理解が出来た。
目の前にいる存在は、今まで会って来た神界の神でも、規格外の存在だと。
「お前が、イリスか」
「……ふふ……」
ただ何となく、その存在が“イリス”であると、本能的に理解する。
「……聞かせろ。なぜ、僕を狙う。僕に何があると言うんだ?」
唯
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