第7章:神界大戦
第209話「真の脅威」
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(されたっ!今、絶対に何かされた!)」
具体的に何かされたまでは分からない。
それでも、緋雪は何か覗かれたような、そんな感覚があった。
「では私は目的の人を追いましょうか」
「ッッ……」
さも当然のように、イリスは奏と司の横を通り過ぎる。
「行かせ……ッ!」
“天使”とアンラ・マンユの対処に追われ、止められない二人に代わって緋雪がイリスの進行を止めようと、割り込もうとする。
だが、それよりも先に横合いから緋雪に攻撃する存在がいた。
「ッ、私……!?」
振るわれた赤い大剣を、緋雪はシャルで防ぐ。
その時に相手を見て、緋雪は動揺する。
「……ふふ……」
それを横目で見つつ、イリスはその場を後にした。
残ったのは、相変わらず劣勢のままの司達とそれを包囲する者達。
「(多分、さっきの鏡……私をコピーしたんだ。しかも、これ……)」
「ははは、あっはははははははははははははは!!」
「(寄りにもよって、私の狂気の部分をコピーした……!)」
笑いながら振るわれる大剣を、緋雪は何とか捌く。
力は緋雪と全く同等。そのために防げない訳ではない。
……一人ならば。
「あははははは!」
「ふふ、ははは……!」
「え、ちょっ、嘘でしょ……!?」
次々と、幻が実体化するように緋雪のコピー体が現れる。
一体や二体どころではない。合わせ鏡のように増えていく。
「(一瞬、さっきとは違う鏡が見えた。……って事は、やっぱり……!)」
自分のコピーが、先程の鏡とは別の鏡から出てきたのを確認し、推測が確信へと変わる。
そして、その下手人を見つけた。
「ッ……!」
一人だけ、緋雪のコピーとは違う、緋雪そっくりな存在を見つける。
違うとわかった要因は、狂気の有無。
それが下手人だと思った緋雪は、コピーの攻撃を捌きつつ斬撃を飛ばした。
「嘘っ!?」
だが、その斬撃は割り込むように出現した鏡で反射された。
咄嗟に避けたが、これで仕切り直しになってしまう。
「(鏡……コピーだけじゃなくて、反射もするんだ。……きついなぁ……)」
構え直し、眼前に広がる自分のコピーと下手人の神を見据える。
一対一でも苦戦する所を、多対一で乗り切らなければならないのだ。
「(……他も手助けする余裕はなさそうだし、ね)」
横目で見れば、そこにはアンラ・マンユと一進一退の攻防を繰り広げる司と、先程からいた“天使”達に一人で足掻き続ける奏がいる。
「ッッ……はぁっ!!」
「ふっ……!くっ……!」
「(ただでさえ、苦戦してたのに……)」
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