第7章:神界大戦
第209話「真の脅威」
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てる方でしたね。では、せっかくですので名乗りましょう。……私こそ、神界を混乱に陥れた神、イリスです。……以後、よろしく」
ゾッとするような恐ろしさと、美しさを兼ねた笑みを、彼女……イリスは浮かべる。
心臓を鷲掴みにされたような、そんな感覚が三人を襲う。
「ッ……」
呑まれない。呑まれてはいけない。
そんな、本能的な抵抗が、三人に膝を付かせまいとしていた。
「……アンラ・マンユは、お前が作りだした存在なの……?」
司が絞り出すように尋ねる。
二人称がキレた時と同じになっているのは、呑まれまいという意志からだった。
こうでもしなければ、雰囲気に呑まれてしまう。
「そうですよ?貴女達の世界のソレは世界そのものに根付く自浄作用の反動ですが、これは私がそれとそっくりに作り上げたものです。……この程度の“闇”。簡単に複製できますよ」
「な……!?」
世界の自浄作用の反動。それがアンラ・マンユの正体だ。
他を綺麗に保つために、肥溜めのように“闇”が集まり、アンラ・マンユとなっている。
その事自体は、司もシュラインから聞いていた。他にも優輝や一部の者は知っている。
しかし、それをイリスは簡単に複製できると言ったのだ。
「(“闇”を担う神だとは聞いていたけど、ここまでなの……!?)」
「『司さん、どうするの……?』」
「『まともにやり合えば、勝ち目はないわ……』」
否が応でも、理解させられた。
一人一人の実力が同等に迫る“天使”達。
天巫女の宿敵でもあるアンラ・マンユ。
そして、それをあっさり複製できると言ったイリス。
そんな存在に囲まれれば、勝ち目はないとどうしても思ってしまう。
……その時点で、三人が勝つ事は不可能となっていた。
「『……逃げたい所だけど……とにかく、やられないようにするよ』」
「……ふふ、足掻こうというのね。……でも残念。貴女達はここで終わるし、私が貴女達如きの相手をするとでも?」
その言葉と共に、イリスの出現から動きがなかったアンラ・マンユが動き出す。
さらに、“天使”達も戦闘態勢を改めて取った。
「ッ……!」
「緋雪ちゃん!」
「えっ……!?」
それを見て、同じように戦闘態勢に入る緋雪。
その後ろにいたからか、司は緋雪より一足先に気付く事が出来た。
……緋雪の背後に出現した、大きな鏡の存在に。
「な……!?」
「離れ……ッ!」
何か仕掛けられる前に飛び退こうとする緋雪。
同じように、引き離そうと司と奏が動く。
しかし、司にはアンラ・マンユの触手が、奏には“天使”達の攻撃が迫る。
その対処に追われ、緋雪のカバーに間に合わない。
「
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