第7章:神界大戦
第209話「真の脅威」
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独で対峙するのだ。
不安は、当然のようにあった。
「撃ち祓え!」
閃光が煌めく。
幾筋もの砲撃が、アンラ・マンユを穿とうとし……触手で相殺された。
「ッ!!」
それだけでなく、瘴気に満ちた砲撃も放ってきた。
咄嗟に祈りの力をぶちまけるように放つ事で、それを防御する。
だが、威力が思いの外強かったのか、咄嗟の行動では力が足りなかったのか後退する。
「なんなの、あれ……?」
「……そっか。緋雪ちゃんは知らなかったね」
後退した先に、転移で避難させておいた緋雪と奏が駆けつける。
そして、唯一緋雪だけアンラ・マンユを知らないため、司に尋ねた。
「……概念型ロストロギア、アンラ・マンユ……」
「厳密には、ロストロギアじゃないんだけどね。……簡単に言えば、この世全ての“負”のエネルギーを集めた存在、だよ」
「ッ……」
簡潔で、詳細は分からない説明。
しかし、それだけでも何となく脅威は分かる。
緋雪は説明を聞いて、改めてアンラ・マンユを警戒する。
「生命の“悪”の肥溜め……そんな存在。部屋の隅に埃が溜まるように、あれもまた、世界のどこかに集まるもの……なんだけど……」
「どうしてここに、って事だね……」
「本来なら数百年掛けて蓄積するんだけどね……」
司が浄化してから、十年も経っていない。
その程度なら、とこよや紫陽でも再現が出来る程の力しか持たないはずなのだ。
しかし、今司の目の前にいるアンラ・マンユは、以前戦った時と同等以上だと思えた。
「あれは私が倒すから、他の……」
「え―――?」
二の句が、告げなかった。
不思議な重圧が、三人を襲う。
「ッ……!?」
威圧感のような、冬の洞窟のような薄ら寒さ。
それでいて、“まだマシ”と不思議と思えてしまうような、そんな重圧だ。
その正体はすぐに分かった。
「―――あれは、私が用意したものです。気に入ってくれましたか?」
司達と、アンラ・マンユの間に、“彼女”は降り立った。
黒い装束に、銀の長髪と血よりも赤く輝く瞳。
何よりも目立つのは、その身に纏う“闇”。
人形のように可愛らしさと美しさを兼ね備え、さらに計り知れない恐ろしさもあった。
「ッッ……!」
三人共息を呑む。
雰囲気に呑まれる事は、何とか耐えた。
しかし、気を抜けば恐怖にどうにかなってしまいそうだった。
「な、何者……?」
辛うじて、そう尋ねられた。
だが、何となく想像はついている。
名前が意味を持つように、神界の神はそこに“在る”だけで影響を齎す。
その事から、彼女の雰囲気で正体が想像出来た。
「彼と親しくし
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