第六章
[8]前話
「これはええ」
「ほんまにそうですね」
「それにや」
インファンテは自分の心の中に語り掛けてくる言葉をさらに話した。
「神託を適えてな」
「そうしてですか」
「その結果や」
どうなったかというのだ。
「力もな」
「得たんですね」
「そや」
そうなったというのだ。
「全体的に一回りな」
「そうなりましたか」
「強くなったわ」
「神具を得ただけやなくて」
「さらにな」
「ご自身もですね」
「そうなった、それでな」
インファンテはさらに話した。
「ここで飲んで食ってそして」
「それからですね」
「ビーチで遊んでな」
このことも忘れていなかった。
「そしてな」
「遊んでからですか」
「次の場所に行こうか」
「このハバナに来た時のお話ですね」
「自分は約束は守る」
インファンテはラムを美味く飲みつつマルタに答えた。
「それも絶対にな」
「海賊の信条ですね」
「本物の海賊はな」
「だから私との約束も」
「守る、ここで飲んで食って」
「ビーチで遊んで」
「それからや」
こう言うのだった。
「次の場所に行こうな」
「では水着に着替えて」
「遊ぼうな」
インファンテは約束を果たしてから次の場所に行くことにした、ビーチの白い砂浜も青い海も実に見事だった。そうしたものを見ながら彼は笑顔でいた。一つのことを果たしまた次のことに向かうことを考えながら。
宝箱が一杯 完
2019・6・23
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