第23話
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出てきたようですが…………一体どのような通信だったのでしょうか?」
パントが通信を終えるとクローディア王太女が困惑の表情でパントに訊ねた。
「―――単刀直入に言いましょう。昨夜に起こった所属不明の武装集団によるエレボニア帝国の辺境が襲撃された事件―――”アルスター襲撃”の”主犯である所属不明の武装集団はリベール王国軍である事”がエレボニア帝国政府の代表者であるオズボーン宰相によって公表されたとの事です。」
「…………え…………」
「「な――――――――」」
「エ、エレボニア帝国の領土をリベール王国軍が襲撃!?ありえません…………!何故、オズボーン宰相は何の証拠もないのに、襲撃が起こった翌日という早さで”アルスター”という領土を襲撃した所属不明の武装集団がリベール王国軍であると断定し、公表したのですか!?」
パントが口にした驚愕の事実にアリサ達がそれぞれ驚いている中クローディア王太女は呆けた声を出し、オリヴァルト皇子とアルゼイド子爵はそれぞれ絶句し、信じられない表情で声を上げたユリア准佐は真剣な表情でパントに訊ねた。
「オズボーン宰相の発表によると、”襲撃者達は王国製の導力銃を携えていた”事が判明したとの事です。」
「ただ、襲撃者が王国製の導力銃を携えていたという理由だけで帝国政府は我が国による仕業だと断定されたのですか!?王国製の導力銃を含めた王国製の武装も他国にも輸出されているのですから、我が国でなくても王国製の武装の購入は容易だというのに!?」
「そ、それよりもその口上はまるで12年前の…………!」
「…………ハハ…………まさか、このタイミングで”第二のハーメルの悲劇”が起こり、しかもそれが”アルスター”で起こったとはね…………状況を考えると、今回の件は間違いなく宰相殿も関わっているだろうね…………」
パントの説明を聞いたユリア准佐は厳しい表情で反論し、ある事に気づいたクローディア王太女は不安そうな表情を浮かべ、疲れた表情で肩を落としたオリヴァルト皇子は気を取り直すと厳しい表情を浮かべた。
「12年前の件を考えると恐らく既にグランセルにあるエレボニアの大使館からアリシア女王陛下に”アルスター襲撃”の件が伝えられ、それに対する賠償、最悪の場合は12年前のように”問答無用の宣戦布告”が伝えられているでしょう。我々との会談はこれ以上の進展は望めませんので、すぐにグランセルに戻られる事をお勧めします。」
「っ…………!わかりました…………大使閣下のお言葉に甘えて、この場は失礼させて頂きます。オリヴァルト殿下達はどうされますか?」
パントの指摘に辛そうな表情で息を呑んだクローディア王太女はすぐに気を取り直した後オリヴァルト皇子に訊ねた。
「…………大使閣下の仰った通り、私では”役者不足”のようだから私達も失礼させても
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