第22話
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の交渉も含まれている事を承知の上で、お祖母様―――アリシア女王陛下による要請に応えたのではないのですか!?」
パントの口から出た驚愕の答えにアリサ達がそれぞれ血相を変えている中オリヴァルト皇子は絶句し、驚きの声を上げたクローディア王太女は真剣な表情でパント達に問いかけた。
「ええ、王太女殿下の仰る通り確かに女王陛下の要請には応じましたが…………先程も申しましたように、”オリヴァルト殿下にはエレボニア帝国を代表する交渉相手としての資格が存在しない為”、今回の戦争の件に関する和解交渉をこの場でしても”無意味”だと判断したからです。」
「……………………”オリヴァルト殿下にはエレボニア帝国を代表する交渉相手としての資格が存在しない”とは一体どういう意味でしょうか?大使閣下もご存知のようにオリヴァルト殿下はエレボニア帝国の皇家である”アルノール家”の一員としてエレボニアだけでなく、世界中に広く知れ渡っています。なのに何故オリヴァルト殿下を”エレボニア帝国を代表する交渉相手としての資格が存在しない”と仰ったのでしょうか?」
パントの答えを聞いたアルゼイド子爵は真剣な表情でパントに問いかけた。
「国を代表する交渉相手―――ましてや”戦争”等と言った国の運命を左右する交渉人には当然相応の”立場”が要求されます。既に滅亡した共和国ならばロックスミス大統領、リベールならばアリシア女王陛下かアリシア女王陛下の”後継者”として既に認定されているクローディア王太女殿下。そしてエレボニア帝国の運命を決めても各方面が納得する人物はエレボニア帝国の”皇帝”と”皇帝の跡継ぎの資格がある人物”、そして帝国政府の代表者である”宰相”です。今挙げた”エレボニア帝国を代表する交渉相手としての資格を有する立場”にオリヴァルト殿下は含まれていますか?」
「……………………それは……………………」
「あ…………」
パントの正論に反論できないオリヴァルト皇子は複雑そうな表情をし、クローディア王太女は呆けた声を出した後辛そうな表情で黙り込み
「交渉する時期がまだ去年末まで続いていた内戦の時期でしたら、リベールや七耀教会と言った他国や国際的な立場を持つ他勢力が超法規的措置として”オリヴァルト皇子を非常時によるエレボニア帝国の代表”として認めた際には交渉には応じたでしょう。ですが内戦が終結し、ユーゲント皇帝、オズボーン宰相共に正常に戻ったエレボニア帝国政府に復帰している以上、”政府内の立場はオズボーン宰相よりも上でもなく帝位継承権も存在しないオリヴァルト皇子”が我々と交渉した所で、万が一我が国が交渉の際に決まった要求内容を変更し、その実行をエレボニア帝国に要求した所で、我が国にエレボニア帝国にその要求内容を実行させる”正当性”やエレボニア帝国がそれを実行するという”保証”はありますか?」
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