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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第21話
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白羽の矢が立ったのでしょうか?」
「メンフィル帝国政府もそうですがメンフィル皇家である”マーシルン皇家”もエレボニアの内戦勃発後、エレボニアの領土と隣接しているユミルにエレボニアの内戦に巻き込まれた際に対処する軍を派遣しなかった件でシュバルツァー家に対する”負い目”があった為、その”負い目”に対する”詫び”として元々アルフィン殿の仕え先の有力な候補としてシュバルツァー家が挙がっていたのですが…………」
「殿下達もご存知のようにリィンは先日のクロスベルでの迎撃戦の活躍の件があった為、それが後押しとなり、メンフィル帝国政府並びにマーシルン皇家はアルフィン殿の仕え先をリィンに決定したのです。」
「そうだったのですか…………クロスベル侵攻軍の空挺部隊のおよそ過半数がヴァリマールに撃墜された事やルーファス君がリィン君に討伐された事はある意味不幸中の幸いでもあったのか…………という事はアルフィンは今、リィン君の元に?」
戸惑いの表情を浮かべているクローディア王太女の質問に答えたルイーズとセシリアの説明を聞いたオリヴァルト皇子は安堵の表情で溜息を吐いた後パント達に訊ねた。

「ええ、そうなりますね。実際にアルフィン殿の対応したリウイ陛下達からの話による推測になりますが、今頃アルフィン殿は彼自身が遠慮していても自らの意志で彼の”使用人兼娼婦”を務めていると思いますよ?」
「え、えっと………何故そのような推測を?」
苦笑しながら答えたパントの答えにその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中クローディア王太女は苦笑しながら訊ねた。
「フフ…………リウイ陛下達の話によりますと、アルフィンさんはご自身が使用人兼娼婦として仕える相手がリィンさんだと知った時にこう仰ったそうですわよ―――『不謹慎ではありますが、わたくしが一生お仕えし、貞操も捧げる相手がリィンさんである事を知った時正直な所安心すると共に、”嬉しさ”も感じましたから』、と。」
「ええっ!?」
「なっ!?という事はまさかアルフィン殿下はリィン少佐の事を…………!?」
微笑みながら答えたルイーズの話を聞いたクローディア王太女とユリア准佐はそれぞれ驚きの声を上げ、アリサ達はそれぞれ冷や汗をかいて脱力した。

(ハッハッハッ、アルフィン殿下がリィン君に想いを寄せている事は私達も感づいていたが、まさかこんな形で叶う事が厳しいご自身の恋を叶えるとはさすがはアルフィン殿下。追い詰められながらもまさかの大逆転をするなんて、転んでもただでは起きなかったようだね♪)
(か、感心している場合じゃないよ、アンちゃん。とりあえずアルフィン殿下は大丈夫な状況である事がわかったのは幸いだけど、幾らアルフィン殿下自身の意志とはいえ、ユーゲント皇帝陛下達に何も話を通さずにそんな状況になるなんて、大問題だ
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