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レーヴァティン
第百九話 書の収集その三

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「都の南西で」
「敵は主力を以てだな」
「迎え撃ってきます」
 そうしてくるだろうというのだ。
「近江と山城、若狭に越前と」
「合わせて四ヶ国か」
「それだけの兵で以て」
「合わせてどれ位か、だな」
 まずは兵の数をだ、英雄は問題視した。やはり戦は兵の数が第一であることは否定出来ない事実であるからだ。
「一体」
「おそらく五万です」
「それ位か」
「はい、近江と越前合わせて四万で」
 それだけの兵がいてというのだ。
「そしてです」
「山城と若狭でか」
「合わせて五万、そのを以て」
「俺達を迎え撃つか」
「我等は今は十万の兵がいますが」
 しかしとだ、謙二は英雄に話した。
「伊勢と丹波にも兵がいて」
「一つではないな」
「大坂から出せる兵は七万です」
 この程度だというのだ。
「それでどうして戦うか」
「都の南西で迎え撃って来る敵五万とだな」
「そうなりますが」
「その五万もな」
「全てこちらに向けられません」
 都の守りに置いて自分達の主力を迎え撃てないというのだ。
「越前と境を接している加賀に備える必要がありますし」
「そして俺達は伊賀からも攻める」
「ですから」
「五万の兵を全てこちらには向けられないな」
「それは無理です。精々四万です」
「四万の兵で都を守るか」
「それに対して我々は七万で」
 謙二はさらに話した。
「鉄砲はこちらは今二千丁あります」
「二千か」
「そして大砲は十あります」
「相手はどれ位だ」
 英雄は今度は敵のことを尋ねた。
「それで」
「鉄砲は五百、大砲は一つです」
「それだけか」
「はい、そして槍もこちらより短いです」
 謙二はこちらの話もした。
「弓矢も具足も我等より質は落ちます」
「そうか、ならな」
「それならですね」
「こちらはそうしたもので攻める、だが」
 ここでだ、英雄はこうも言った。
「これまで、大和等でしてきた攻め方だから別の攻め方も入れよう」
「その別の攻め方は」
 ここで言ったのは幸正だった。
「何だ」
「馬だ」
「馬、騎馬隊か」
「そちらも揃ってきたからな」
「騎馬隊も使うか」
「多くの足軽達で前から攻めるが」
 それだけでなく、というのだ。
「さらにだ」
「騎馬隊も使ってか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「戦うか」
「鉄砲だけでなくか」
「そうしていくか、俺達は空船も持っているしな」
 こちらもというのだ。
「使えればな」
「そちらの船も使うか」
「堺の港で造らせてだ」
「戦にも使うか」
「そうするか、空からも攻めれば」
 そちらも入れればというのだ。
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