454部分:これが無の世界その三
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道が今そのドアを開き中に入ったことは事実だった。そうしてそのまま先に進むのだった。
隔離病棟の中は暗く廊下であっても夜の如くだった。非常灯の他は何もなく扉さえも碌に見えはしない。しかしその部屋のそれぞれに人の名前や科を示す文字が書かれているのは見えた。
人もいない。いるのは彼だけだ。そこに強い孤独と周囲の不気味な静けさから恐怖も感じていた。だがそれでも彼は先に進むのだった。
「何処だ」
彼は薄暗い廊下を進みながら左右の部屋の患者の名前を見ていた。そこに未晴の名前があるのかどうか確かめているのだ。
今入った階にはなかった。階段を昇り別の階を調べる。それを何度か繰り返してだった。
未晴の名前が書かれていた部屋を見つけた。部屋の番号も確かめた。そこには確かに竹林未晴と書かれているのであった。
「ここだな」
部屋の扉の前に立つ。そこはクリーム色のプラスチックの扉だ。ドアも金属のものである。その扉の前で一旦頷き。そして扉を開けた。
そうして中を見る。だがここで彼は。言葉を失ってしまった。
「な・・・・・・」
言葉を出そうとして絶句してしまった。それ以上言うことは今の彼には。とてもできなかった。
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