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ソードアート・オンライン ー合わさる剣は2つの世界を一つにしてー「ある科学者とある剣士の物語」
弟十二話「孤高の剣」
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に臆することなく攻撃できるようになってきた。playerの攻撃が当たりだして連鎖的になってきたら、そいつはもう攻撃手段がないということだ。あとは、HPバーを削りきるまで、俺たちが気を抜かなければいい。
 HPバーの最後の部分を削るとグリムリーパーは消えた。それと同時に門が開いた。その時、何かの影が入った。
 全員にあまりの疲労に呆然としている。
 しかし俺は一人の男に目が止まった。ヒースクリフだ。あの男これだけの激戦に汗の一つも掻いてない。
 なんだ、それにこの男の顔どこかで俺の脳裏によぎるあの一人の天才。
 そうだ、俺は知っていた。この男の立ち居振る舞い、言動。
 俺は鎧の内側から短刀を取り出して、静かに投げた。それと同じにもうひとりの剣が動く。
 同時に二つの攻撃がヒースクリフに炸裂した。
 ヒースクリフは驚いていた。しかしオブジェクトが再生された。インモータルオブジェクト、不死属性。
「くっくっく!あっはっはっは。これでは言い訳のしようがないな、ふむ。さて、まずはキリトくん、何故わたしを攻撃したのかね」
 みんな、何が起きてるのかわからないといったふうだ。しかしキリトさんと俺だけは確信をもっていた。
「俺は簡単な心理を忘れていた。ゲーマーとして、人がやってるゲームを横で見ているほど退屈なものはない。初めに革新したのはあんたとのマッチゲームの時だ。最後の瞬間、あんたあまりにも早すぎたよ」
「そうか、やはりあのときは思わずシステムのオーバーアシストを使ってしまった。あれは私にも痛恨事だった。ということは私が誰かも分かっているのだね?」
「茅場晶彦……そうだろう?」
「見事だ。そしてジンくん。君の答えは分かっている。SAOを作る際どうしても武術の知識のあるものが必要だった。当時わたしは四人の武術家に依頼した。北辰一刀流、示現流、柳生新陰流、そして君だ。そして最後に残ったのが君だ。思えば私は君に少し興味があった。かなり哲学や宗教、思想にもあかるく親が建築家のせいかデザインにも明るかった」
 ヒースクリフは、何も変わってない。あの悠然と余裕のある物腰は今もそこにあった。
「しまいには自分でファンタジー小説を執筆しているというじゃないか。君はソードスキルの根本となる動きの基礎とアインクラッドの建築そしてSAOの世界観そのものにも多大な影響を私に及ぼした。君はこのデスゲームの共同制作者でもあるのだよ。私の推測では君はユニークスキルを習得しているだろう。あろうことか私は自分の世界に最強の刺客を招き入れてしまった」
「俺のユニークスキルか、そんなことよりあんたを慕っていた血盟騎士団のみんなにいうべきことがあるんじゃないか?」
 騎士団のメンバーは、恨みと憎しみとそして自分への嫌悪の念で茅場を、いやヒースクリフをにらみつけていた。

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