第一章
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悪魔の本体
マイケル=ギンズバーグとハリー=オコナーの二人は今はギンズバーグの神託でアメリカケンタッキー州レキシントン近くの鉱山の街に来ていた。この世界ではこの州にも鉱山があるのだ。
その街の中でだ、ギンズバーグは眉を顰めさせてこう言った。
「活気に溢れてる筈が」
「どうもな」
オコナーもどうかという顔で返した。
「覇気がないな」
「街全体に、ここは本来はな」
「あれやな」
「そや、ミスリル銀がどんどん発掘されて」
強力な武器になるそれがだ、十星連合では兵士達の装備に標準的に使われこの国の軍隊の高い武装度に貢献している。
「活気に満ちてる街やが」
「この通りやな」
「ほんまにな」
「活気がないな」
「それも全くな」
「そうなってる理由は」
それはと言うのだった。
「何故かっていうと」
「訳があるな」
「まずはそれを調べよか、これが多分な」
「自分の神託やな」
「そうやと思うからな」
だからだと言うのだった。
「まずはギルドに行こうか」
「そうしよか」
「それからや」
ギンズバーグはこう言ってだった。
そのうえでオコナーと共に素性を隠して旅の冒険者として街のギルドに入るとやはり鉱山のことでの依頼が来ていた。
鉱山の中に出ているモンスター達の退治だった、それで多くの冒険者達がこの依頼を受けて鉱山に向かっていた。
それを見てだ、ギンズバーグはオコナーに話した。
「肝心の鉱山にモンスターが出てたらな」
「採掘どころやないからな」
「そやからな」
それでというのだ。
「鉱山が閉鎖されてたんやな」
「鉱山が閉鎖されてるとな」
そうなってしまえばだった。
「鉱山の街なんてな」
「何でもないな」
「凶悪犯をモンスターの餌にさせても掘らせても」
十星連合ではごく普通のことだ、他者の人権を踏み躙る様な輩の人権なぞ知ったことではないということだ。
「そいつ等が全員餌になったらな」
「終わりやしな」
「それでやな」
「凶悪犯もいなくなって」
危険を顧みずに働かせる所謂使い捨ての道具がだ。
「それでや」
「掘ることも出来ん様になって」
「今に至るわ」
「そういうことやな」
「それでや、中のモンスター達を掃討して」
「それでやな」
「採掘の再開を目指してるんや、さもないと」
鉱山の中からモンスター達を掃討してこそというのだ。
「街は日干しや」
「鉱山の街の特徴やな」
「漁港の街は魚が採れんかったら終わりや」
ギンズバーグはこの例えも出した。
「それで鉱山の街もや」
「そういうことやからな」
「ここはな」
「あちき等もやな」
「中に入ろうな」
冒険者としてというのだ、こうしてだった。
二人は冒険
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