純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 22
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ているよ。ついでに、予算を申請する側の私もね」
「被害申告の書類監査と補償額の精算と最終確認を任されている私もですわ、大司教様。うふふふ」
…………できれば止めて欲しいと願う人も、中には居るようだが。
人間社会は複雑だ。
「私達のほうはこれで良いとして。明日から十日前後、マリア様方は如何なさいますか?」
「アーレストさんが此方に来る以上、私達が彼らの教会に居座る訳にはいきませんし……もう一度ロザリア達と合流しようとは思っていますが、その先は特に何も決まっていません」
「リースリンデさんは、元々は精霊達の泉へ行くつもりだったと言っていたけど?」
「コルダさんやプリシラさんがロザリア達の存在に関わっている今、私も我関せずと身を潜めてはいられませんから。貴方方の善意を疑っているようで大変申し訳ないのですが、事此処に至っては情報の共有が不可欠であると判断しました。その為の、この「場」です」
「最善の判断だね。私達は世界の混乱を避ける為に、マリアさん達の動向を把握しておきたい。マリアさん達も同じく、人間世界には極力関わりたくない。前提も目的も合致する。なら、実質が警戒であれ監視であれ、協力できる所では協力し合うべきだ」
「大司教様に同感ですわ。差し支えなければ、マリア様方も明日から中央教会へいらしてくださいませ。私は全力でロザリア様の存在を隠し通すと誓いましたが、この身も思考も、所詮は人間の物。至らない部分には、マリア様方の御力と知恵をお借りしたいのです」
「承知しました。余計な争いを防ぐ為であれば、できる限りの事はさせていただきます」
「ありがとうございます」
座ったまま頭を下げるプリシラに、マリアも一つ頷いて、「では、そろそろ……」と立ち上がり、話を切り上げようとした。
が。
「お待ちください、マリア様」
暗闇でもはっきり判るほどの真剣な表情を持ち上げたプリシラに呼び止められ、首を傾げる。
「最後に一つだけ。今、どうしても、この場で、マリア様に、確認しておきたい事がございますの。よろしいでしょうか?」
「確認したい事?」
やけに神妙な口調で一言一句を強調しながら尋ねる彼女に、コルダも不思議そうな顔でマリアと視線を交わした。
「マリア様」
「はい」
「神代の頃は恐らくそうでもなかったと推測しますが、現代の人間は世界中何処にでも居て、いつ、何を観測するか知れたものではありません。そういう意味では、「それ」も当然の判断と言えましょう。ええ、「それ」自体は、至極真っ当な判断です。ですが、どうしても腑に落ちませんの」
「………………あ。」
自身を真っ直ぐ見つめるプリシラの目線を辿り、言葉を聴いて。
マリアは漸く気が付いた。
いつの間にか着用が習慣にな
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