純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 22
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っていた。
愛娘の思い遣りに感激しまくっていたマリアだけは、今朝までずっと大興奮だったが。
「折角ロザリア様が気を遣ってくださったのに、特異体質が此処でも裏目に出てしまったと考えれば、アーレストも大概、不憫と言えば不憫ですわね。つくづく生き辛そう」
「持って生まれた物だけは、活かす方向で考えないとどうしようもないからねぇ」
「体質となると、着脱可能な物ではありませんからね」
「常人が憧れるような超感覚的知覚と呼ばれる物に近い「何か」のような気がしますけど、あればかりは人間には過ぎた代物と言わざるを得ませんわ。便利なので、使う時は徹底的に使い潰しますが」
「君は時々、さらっと酷い言い回しをするね」
「それがあの子の望みですもの。遠慮してあげる理由なんて、此方には全くございませんでしょう?」
「うーん……」
にっこり微笑むプリシラに、コルダの頬がちょっぴり引き攣る。
「それで、アリアシエルのほうは如何でしたの?」
「ん……『当面は傍観』で決着したよ。ミートリッテ君に飛ばしてもらった手紙にも書いた通り、アリア信仰の後ろ楯である主要三国が突然手を引いちゃったからね。他にできる事は無いから仕方ないかなぁと思ってたんだけど……仕方ないではなく、べゼドラさんが頑張って最善の手段にしてくれていたらしい」
「ええ。ベゼドラには思う存分世界中を飛び回ってもらいました。少なくとも彼が「支配」を解かない限りは、宗教方面から各国を巻き込む大規模な戦争に発展する事は無い筈です」
「けれど、その支配も完全ではない。そうですわね?」
「……その通りです。べゼドラに抑えてもらったのは、各宗教と主要国の上層に位置する少数の人間だけ。戦争に発展させる可能性の一つを一時的に無理矢理黙らせたに過ぎません。争いの種は、誰からでも何処からでも、見境無く発生します」
「例えば、世界中で目撃されたという淡い薄緑色に光る雪……かな?」
「はい」
「大司教様の帰国が遅れたのも、あの雪が影響しているのでしょうか?」
「それもある、が正しいかな。実は、アリアシエルで私とタグラハン大司教を襲ってきた異教徒を一人捕縛したんだけど、どうやら私、捕まえた時に押さえた彼の腕の骨に、骨折手前のひびを幾つか入れちゃってたらしくて。過剰防衛はお止めなさいねって、彼の被害届を受け取ったレティシア教皇にこってり叱られてたんだよ」
「こ、骨折手前って……」
「まぁ」
思い掛けない告白でぎょっと目を剥くマリアとは対照的に、プリシラは呆れたような表情を見せた。
「腕を押さえた程度でひびが入るなんて、よっぽど運動不足でだらしない生活をしていたのでしょうね。自己管理もできてないなんて、教えを広める立場に在る者のクセに情けない。しかも、襲撃しておい
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