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Blazerk Monster
鉄壁の特攻隊長
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「……過去しか見えてない馬鹿がいくら喚こうが時代は進んでる。今の俺は──暴走族『暮威慈畏暗喪亡徒』の総長が正義の力を纏いキヤリーグポケモン連盟四天王が一柱、『鉄壁の特攻隊長』の異名へとランクアップしたの最強の男!玄輝(ゲンコウ)だ!!」

 シルエットが、腕をぶん回して炎を吹き散らす。青年を守るように立ちはだっていたのは紅く染まった二息歩行の狼のようなポケモン、ルガルガンだ。だが炎を防いだこと以上に、言葉の内容が驚きだった。

「……あんたが、四天王?」
「昨年就任した四天王はバイクを駆り各地を警邏する仕事に就いていると聞いたことがありますが……この人が……?」
「そこの金髪はわかっているようだな。お前が腑抜けている間にも俺たちは進化したんだよ。俺は四天王、舎弟のこいつらも今じゃ俺直属の警備隊……暴走族などと言う過去はとうに過ぎ去ってしまったというわけだ」
「自慢なら、腹立つから帰ってくれないかしら」

 腸が煮えるのを感じながら涼香は言う。下っ端連中と話すと話が進みにくく、隊長である玄輝と話すともっとややこしくなるのでバイクを貰う際もバトルより話をこぎつけるまでが面倒だった。


「お前が二年前の『ストライクの斧』のままだったなら俺たちは何も言わないしむしろ誇りだったが……あの『エテボースの悪だくみ』の一件で俺達は一気に恥知らずな罪人に負けた惨めな賊扱い!チームは解散寸前に追い込まれて、町の中どころか道を走ることすら出来なくなっていた……例えチャンピオンが許しても、俺はお前の罪を絶対に許すべきではない!!」
「……!!」

 突き付けられた宣言は、煮えた臓腑を一気に凍り付かせる。涼香が犯した、バイクを持っていったのとは違う絶対に逃れられない罪。頭の中でわかっていても、被害者から直接突き付けられたのは、ポケモントレーナーとして今まで戦ってきた相手への冒涜と面汚し。

(そう……わかってた……傷ついたのは、私とあの子だけじゃないって……)

 自分を応援してくれた人も敵として戦ってきた人への裏切りでもあるからこそ、涼香は一年前ポケモントレーナーとしての関りからも逃げて独りでいた。そのことに自分が傷ついて被害者面する権利なんてない。表情を無理やり保ちながら涼香は答える。

「やっぱりもっと前に来るべきだったわ。その時なら気のすむようにさせてあげてもよかった……でも悪いけど、今はやらなきゃいけないことがあるの。あんたたちの恨みに付き合ってられない」
「むしろお前はそうあるべきなのにそうじゃなかったからこの瞬間まで待ってたんだよ……さあ、もう一度俺と決闘しろ!お前が勝てば一人分と言わずお前ら全員のスクーターくらいはくれてやる。ただし負けたら、今度こそ正式な手続きに則って裁きを受けてもらう!それで俺達は汚点に決着をつけ
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