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ある晴れた日に
448部分:辺りは沈黙に閉ざされその十五
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辺りは沈黙に閉ざされその十五

「同じ顔だからね」
「殆どクローンだから」
「っていうと竹林とかよ」
「そんなに似てるのかよ」
「似てるなんてものじゃないから」
 奈々瀬が真顔で皆に語ってみせた。
「もう背丈も何もかもが同じだから」
「スタイルまでね」
 咲も言ってきた。
「皺だって全然ないし」
「四十過ぎだった?もう」
「それ位じゃないの?あれ、三十代後半だったっけ」
「どちらにしろ皺一つないよなあ」
「若々しいっていうか」
 五人はここでその未晴の母親について話しだした。
「最近私未晴と区別がつかないことあるのよね」
「あっ、それ私も」
「私も」
 その未晴と親友であるという彼女達の言葉である。
「お母さんエプロンして年相応の格好してるからまだわかるけれど」
「それでも声まで同じだからね」
「全然わからないわよ」
「そりゃあれだろ?」
 野本は五人の話をそのまま信じていなかった。それでこう言うのだった。
「御前等の目が悪いんだよ」
「おい、そう来るかよ」
「私達の目が悪いですって?」
「うざいんですけど、その言葉」
「だってよ。三十代後半か四十代の人だろ」
 このことを指摘する野本だった。
「それで何で竹林と同じなんだよ。おかしいだろ」
「だから見たらわかるから」
「その時驚いたら怒るわよ」
「覚悟しておきなさいよ」
「はぁ!?そんなの絶対に有り得ねえからねえよ」
 右手の小指で耳の穴をほじりながらの態度に今の彼の感情がこの上なくはっきりと表れていた。全く信じていないし有り得ないと思っているのだ。
「そんなのよ。北朝鮮が本当のこと言うより有り得ねえよ」
「そこまで言うのね」
「また随分と言ってくれるわね」
 この面々で誰も北朝鮮が真実を言うとは思っていないということだった。これは最早彼等の様な高校生達の間でも常識になっていることであった。
「北朝鮮だなんて」
「私達嘘はつかないけれど」
「嘘はつかなくても目が悪いとかあるだろ」
 あくまで信じようとしない野本だった。
「そういうことだよ。俺が言いたいのはな」
「むかってくるわね」
「全く」
 五人はそんな野本の言葉に怒りを露わにさせていた。
「とにかく。お母さんが出て来るから」
「楽しみにしていなさいよ」
 こんな話をしながら未晴の家に行き出て来た彼女の母親にお見舞いのそのドーナツを手渡した。皆その帰り道でまた話をしていた。
「まあ。あれだな」
「何ていうかな」
「世の中色々あるよな」
 男組が言っていた。
「遺伝ってな。不思議だよな」
「本当にそっくりだったな」
「っていうかまじで同じだったじゃねえかよ」
「クローンか!?クローン」
 五人の言葉をそのまま言う形になっていた。ただ
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