7 四人の少年少女グループ
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清水市の羽柴家。山田かよ子の隣の家に居候している男子高校生・三河口健は自身の叔母である羽柴奈美子とその夫である利治とテレビのニュースを見ていた。ニュースはこの前の地震のような出来事の事件である。あれは地震ではなく、異次元とのぶつかり合いと報道していた。さらにこの前清水市にアレクサンドルとアンナとかいう人物が襲撃して来た事も報道されていた。なお他の地でも行政機関の襲撃やターミナル駅の爆発が起きたという。
「それにしてもあのアレクサンドルとアンナって奴以外にも暴れている奴がいるんですね。それもあの地震もどきの事件を境に始めて」
「だが、異次元との繋がりがこんなあからさまに起きるって事はあまりあり得ないんだがな」
利治氏は異次元の存在を知っているように言った。
「今の世界と別の世界って普段から繋がっているんですか?」
「あまり目立たないところで繋がっているんだよ」
「それにウチらの世界だけじゃどうにもならない事ってあるんよ。だから他の世界から静かに助けられているんよ。例えば神とか仏に祈ったりとか神社でお祓いやって貰ったりとかね。隣の山田さんがかよちゃんに渡したあの杖もそうなんよ」
奈美子が続けて説明する。
「そうなんですか。しかし、それでも俺が持っている力というのはどうにもならないかもしれませんが・・・」
「そんな事ないって。清水に来てから変わってると思うよ」
「そうですよね・・・」
三河口は間借りしている部屋に入った。元々この家には奈美子と利治の他に三人の娘、すなわち三河口の三姉妹の従姉がいたのだが、今は結婚や進学などで既に自立している。三河口が借りている部屋はかつてこの羽柴家の長女・ゆりが使用していた部屋である。三河口が居候を始めた時は長女と次女・ありは既に自立しており、三女・さりは三河口が中学三年生の時に専門学校進学を機に名古屋で独り暮らしを始めた。
「俺の力、強力すぎるんだよな・・・。今は何とかやっているけど・・・」
アレクサンドルとアンナの兄妹との決闘から数日経ち、かよ子は杖をさらに使いこなそうと思い、杖の説明書となる本を読んでいた。その本はこの世のものとは思えない文字で記されているのだが、なぜかかよ子にはその文字が読めた。ゴールデンウィークは特にこれといった旅行の計画はなく、ただ家にいたり、同じくそんな余裕がないという理由で何の計画もないまる子と遊んだくらいである。
(この前の戦いはお父さんやお母さん、杉山君に大野君のサポートがあったから倒せたけど、私一人じゃ絶対に殺られていた・・・。おっちょこちょいしないようにやらないと杉山君からも愛想つかされるかもしれない・・・!!)
かよ子はそう思い、特訓を続けていた。
「かよ子」
母がノックをして部屋に入ってきた。
「
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