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大きな女の子
第一章
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              大きな女の子
 ビル=ミッチェルとチャック=オニールの二人は今はオニールの神託でアメリカミズーリ州カンサスシティに来ていた。
 二人は街に来たがオニールはすぐにこう言った。
「まずはドーナツ食べよか」
「すぐにギルドとか市役所とか行かないの」
「お腹空いたからな」
 それでとだ、オニールはミッチェルに軽い口調で答えた。服装も錬金術師というよりかは盗賊系の軽い身なりである。
「それでな」
「まずはなのね」
「ドーナツを食べてな」
「コーヒーを飲んでなのね」
「一服してな」
 そしてというのだ。
「それからちょっと遊ぼうか」
「遊びは流石に駄目でしょ」
 ミッチェルはそれはと言った。
「あんたのことだから野球でも観に行くんでしょ」
「バスケかアメフトかな」
「やれやれね、ドーナツはええとして」
 ここまでは許せるとだ、ミッチェルは答えた。
「それでもよ」
「遊びはあかんか」
「ええ、駄目でしょ」
 こうオニールに言うのだった。
「それはね」
「やっぱり仕事せなあかんか」
「そうよ」
 そこはと言うのだった。
「さもないと太宰さんに怒られるわよ」
「あの人離れててもわかるからな」
 働いているか遊んでいるかだ、だから太宰は千里眼を持っているとも言われることがある。ただし彼は実際にはその能力は持っていない。
「そやからな」
「若し遊んだらね」
「そこでやな」
「貝殻から言われるわよ」
 そこから連絡が来るというのだ。
「ちゃんと務めを果たしなさいってね」
「それやったらな」
「最初から働いた方がええでしょ」
「ああ、ほなドーナツ食べてな」
「ギルドか市役所にね」
「行こうな」
「そうしましょう」
 こうしてだった。
 二人でまずはドーナツの店に行ってそこでショコラフレンチやオールドファッションを注文しレモンティーも飲んだ。それからだった。
 ギルドに素性を隠して行くとそこでとんでもない依頼が来ていた。オニールはその依頼を聞いて思わず眉を顰めさせた。
「小学校の子供がかいな」
「はい、朝起きますと」
 その時にというのだ。
「全長十メートルのです」
「巨人になってるんか」
「これまでは普通の九歳の女の子でしたが」
 それがというのだ。
「朝起きて」
「そこまでの大きさになってたか」
「当然部屋から出るに出られず、といいますか」
 ギルドの事務所の者、ドワーフの女の彼女は困った顔で話した。
「家自体がです」
「壊れたな」
「はい、そうなりまして」
 それでというのだ。
「今家は修理中で」
「大変やな、家族も」
「幸い火災保険といいますか」
「保険でか」
「お金の方は何とかなりましたが」
「それはあくまで不幸中の幸
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