第七章
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こうして事件は終わりそうしてだった。
ミッチェルはオニールを連れてデモインにある有名なレストランに案内してそこでまずは二人用の席に座った。それからメニューを注文した。注文したメニューはというと。
分厚いステーキにかなり大きなハンバーガー、鮭のグリルにミートボールが入ったミートソーススパゲティ、フライドピクルスにやはりかなり多量のサラダとナチョスといったメニューだった。酒はビールを頼みデザートはアップルパイだった。
そうしたものを食べながら子供達を助けた依頼を果たしたことを祝っているとそこでだった。ミッチェルの手に。
あるものが宿った、それは何かというと。
「トランプの王杖ね」
「ああ、アリスのかいな」
「ええ、不思議の国のアリスに出てた女王様と王様が持っていた」
見ればそれは二つで一組になっているものだった、一方にはサファイアもう一方にはルビーが入れられている。
「それよ」
「それは何の効果があるんや」
「武器に使えてね」
ミッチェル自分の心の中に語り掛けてくる言葉をそのままオニールに話した。
「しかもね」
「さらにやな」
「ええ、あたくしの知力も上げてくれる」
「そうした神具か」
「バンダースナッチの時計が術をより強く効果的に使わせてくれて」
最初から持っている神具はというのだ。
「そしてね」
「その杖はやな」
「そうした力があるわ、それに」
ミッチェルはハンバーガーを食べつつさらに話した。
「あたくし自身もね」
「何かあったな」
「ええ、神託を適えてね」
心の中に言葉が語り掛け続けている、それをさらに言うのだった。
「そしてね」
「そのうえでやな」
「全体的に一回り強くなったわ」
自分自身がというのだ。
「それを実感もしているわ」
「それはええことやな」
オニールはスパゲティを食べつつ応えた。
「ほんまに」
「いいこと尽くめよ、それでね」
ミッチェルもスパゲティを食べる、そのうえでの言葉だった。
「あたくし達のことはね」
「ああ、まだな」
「これで終わりか」
「ちゃうな」
「世界を救うから」
だからだというのだ。
「ここで食べて飲んでね」
「それからやな」
「あらためてね」
「出発やな」
「そうよ、次の場所にね」
「わかってるわ、ほな今からな」
「飲んで食べてね」
その後で出発しようと言ってだった、ミッチェルは大ジョッキのビールを美味そうに飲んだ。その心は既に次の場所を見ていた。
見えない誘拐犯 完
2019・6・18
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