『ルイズが召喚したのが、ロコンだったら?』
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ねえ、その子、私にちょうだい!っと、キュルケが今日も言う。
ルイズは、狐のような、けれどたくさん尻尾がある生き物を抱きしめて、首を振った。
その生き物は、ルイズの使い魔だ。春の使い魔召喚の儀式で召喚した生き物で、炎を操ることができる。
最初は、可愛い!って思っただけで油断していて思いっきり火を浴びせられてしまった。
狐によく似ているが、六つに分かれた巻き毛の尻尾、赤茶色の毛並み。抱きしめると、とても温かい。
召喚した後日、ロコンだぁ!っと言って驚いてるメイドがいた。
知っているのかと話を聞くと、ロコンという生き物なのだそうだ。
メイド・シエスタの故郷タルブの近隣の森に住む珍しい狐のような生き物だが、炎を操るものの、気性は臆病で敵が現れると傷ついたフリをするなど好戦的ではないらしい。
亡き曾祖父が飼っていたロコンは、ある石を使うことで、キュウコンという美しい狐になったそうだが、その石がなんなのかは分からないと答えられた。
曾祖父がキュウコンの美しさに目がくらんだ貴族に狙われるのを危惧して石のことを秘密にしたそうだ。
それだけ言うのだから相当な美しさなのだろう。いや、今でも十分可愛いからルイズ的には別に良いのだが。
キュルケがロコンを欲しいと言い出したのは、食堂での一件で起こった決闘沙汰がきっかけだった。
アウェイな状況で、ルイズの前に駆け出してきたロコンが果敢にも前に出て、大の字の炎を放って、ワルキューレとギーシュをもろとも焼いて倒したのだ。
立派なサラマンダーだけに飽き足らず、炎を操るロコンに魅せられたキュルケが、欲しい欲しい!っと言い出して来たのだ。
ロコンは、嫌がってルイズの後ろに隠れるし、こっちおいで〜っと猫なで声で誘ってくるキュルケに、口から火を吹いて威嚇する始末だ。
うっかり目を離した隙にキュルケに抱きしめられていたりしたが、キュ〜ンキュ〜ン!とルイズに助けを求めてきたため、すぐに奪い返した。その時のキュルケの、ガッカリした顔と言ったら……。
ある日、キュルケが火の形を石を見せてきた。城下町の露店で売っていたと言っていたが、あなた(ロコン)にあげると言って差し出してきた。そんなのでロコンの気を引く気かと怒ったが、石を見たロコンは、何を思ったのか石に自ら触れに行った。
するとロコンが光り輝き、そして一回り以上大きくなり、そこには金色に近い黄色の毛並みが美しい狐の姿…、キュウコンへと姿を変えたロコンがいた。
どうやらシエスタが言っていたキュウコンへの進化条件の石とは、あの火の形をした石だったらしい。
突然のことにポッカーンとなった二人だが、やがてキュルケ
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