三章 天への挑戦 - 嵐の都ダラム -
第30話 気候区分図 ー青い空よりも高く−
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う考えていくと、植物はこの世界を一番表現できている生物であり、同時に、世界という巨大で美しい絵に最大の寄与をしている生物でもあると気づいたそうで、そのときから急に植物が可愛く見えてきたと言っていました」
説明の途中、女王は首を傾げながらうなずくという、なんとも器用なことをしていた。
「そうか。とりあえず話はわかった。その考え方自体は、まったく理解の及ぶものではないがな」
そしてなかば呆れ気味に、そんなことを言った。
ティアも女王に賛同したのか、「私もぜんっぜん理解できない〜」と匙を投げている。
「まあ、感謝するぞ、シドウ。あの偏屈なジジイに手紙を出して聞くのは嫌だったからな」
先ほどからの女王の言葉からは、シドウの師匠とかなり微妙な関係にあったことがよく伝わってきた。認めてくれてはいるが、性格はだいぶ苦手にしていたのだろう。
「しかし、青い空よりもずっと高いところ、か……。そこはいったいどんな世界になっているのだろうな。たとえばそこから下ではなく前を見たらどうなのか。そこからさらに上を見たらどうなのか。私には想像もつかぬ」
謁見の間の天井に、女王は顔を向けた。
そして戻す際に一つ、小さくため息をついた。
「シドウよ。遠い未来、そこに実際に行ける日などは来るのだろうか?」
その言葉を受けてシドウも想像を膨らませてみたが、よくわからなかった。
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