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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第68話 過去語 一
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」
最悪だ。マフィア時代はこのナイフ以外にも銃等を持っていたが、今は持っていない。
ナイフだったものを地面に放り投げ、先程ぶっ殺したヤクザ共の服を漁る。丁度、若頭らしき奴が銃を持っていたので、それを拝借。
残りの弾数は四個。無駄遣いは出来ない。
「へぇ。今時の中学生は銃も使えるんですか」
「悪いけど、私は“人間ごっこ”に興味は無いんだわ。学校なんか行って遊ぶ暇があったら、その間に気に入らない奴全員ぶっ殺す」
「“横暴な女王様”って訳ですか……其れは、早く捕まえて、豚箱にブチ込まなければ」
余裕そうに笑みを浮かべる警察。懐から銃を取り出して、安全装置を外す。ガシャと音を立てて、銃弾を装填する。
そして、トリガーに指を掛けて、銃口を私の眉間に向ける。
「???イラつくんだよ、その態度」
あのクソ
首領
(
ボス
)
みたいで。
「小さい餓鬼一人を助けたくらいで……」
何時もヘラヘラと笑っていて。
「私をまた実験に使いやがって……」
助けてくれた筈なのに、また突き放されて。
「イラつくんだよ」
私の大切な友達を殺して。
それでもまだ生きているという事が。
「ぶっ殺したくなる程イラつくんだよ」
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