第7章:神界大戦
第208話「決死の撤退」
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そのままだけど、繋がりを表す糸が途中で見えなくなってるみたい」
紫陽の言葉に、アリシアも自身と契約している蓮との繋がりがない事に気付く。
契約そのものは消えていないため、やられた訳ではないとはわかるが、それでも場所も気配も一切わからないという状態だった。
紫陽もまた、妹である葉月の気配を感じられずにいた。
本来ならば、姉妹と言う“縁”から簡単に気配が分かるはずだというのに。
「じゃ、じゃあどうするのよ……これじゃあ、あたし達、迷子も同然じゃない……」
「………こっちだ」
不安を吐露するように、アリサが皆の思っている事を代弁する。
そんな皆に、優輝が行く先を示す。
「……わかるの?」
「確証はない。……だけど、闇雲よりはいいと判断できる感覚だ」
とこよが自信があるのか尋ねる。
しかし、優輝の返答はどこか要領が得ない。
「“道を示すもの”……効果の分からないレアスキルだったが、効果そのものが抽象的とはな」
「ケーニ……なんだって?」
「ケーニヒ・ガイダンス……道を示すもの、だ。リヒトに記録しておいた、かつて存在した人の能力値を可視化する力で判明した、効果の分からなかった能力の事だ」
その能力が今こうして、自分達に道を示しているのだと、優輝は言う。
「俄かには信じられんが……何もないよりはマシか」
「ああ。……だが、どの道変わらないだろうな」
「……?それはどういう……」
優輝の言葉に、クロノが首を傾げる。
……答えは、すぐそこに来ていた。
「ッ……!」
直後、優輝が何名かを転移させ、自身も飛び退いた。
すると、そこへいくつもの雷が降り注いだ。
「見つかった」
「っ、そういう事か……!」
少し離れた位置に、神が何名かいた。
捕捉された事に、優輝達が把握している間にも、その数は増えていく。
「……突破するしかないだろう」
「逃げるって言っても、どこにって話だしね……!」
「総員、構えなぁ!!」
すぐさま全員が戦闘態勢に入る。
敵戦力を分析する暇もない。
足を止めれば、たちまち競り負けると全員の本能が警鐘を鳴らしていた。
―――……未だ、神界の出口は見つからない……
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