第7章:神界大戦
第208話「決死の撤退」
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かりだから、何とかなっているのかもね」
「……そうだね」
神であれば、もっと苦戦するだろうと、司は言う。
三人の推察通り、“天使”達は神の眷属であるために、主である神より弱い。
だからこそ、まだ司達が優勢であれた。
「(“天使”ばかり……?ちょっと待って、それって……)」
そこでふと、緋雪はある事に気付く。
今までは“天使”達と接敵する事はなかった。
事前に“天使”について知っていなければ、それが“天使”だと分からない程だ。
そんな“天使”達が、突然大群で現れた。
「ッ……!?もしかして……!」
「ど、どうしたの!?」
「“天使”がここに集結してるって事は、その主の神は……!」
「あっ……!?」
緋雪の言葉に、司も奏も理解する。
そして、同時に顔を青くした。
「優輝君……!」
「司さん!」
「ッ!!」
思わず優輝達を転移させた先に、気を逸らしてしまう司。
その隙を“天使”が突こうとして、緋雪の声と共に奏が割り込む事で防ぐ。
「足止めは向こうも同じって事……!してやられたよ!」
油断などしてはいなかった。しかし、切羽詰まった状況ではあった。
そのため、気づけなかったのだ。……これが陽動で、本命は別にあると。
「そもそも、神界にこっちの常識が通用するはずない!」
「じゃあ……!」
「全部、掌の上かもね……!」
“天使”達の攻撃は続く。
それを凌ぎつつ、だが徐々に三人の精神的余裕は削れていく。
まだまだそれは保たれているが、いつまでも耐えられる訳じゃない。
……競り負けるのも、時間の問題だった。
「―――って!っ、あ……」
「行くぞ」
「ッ……!」
一方で、転移させられた優輝達。
止めようとしていたアリシアは、転移させられた事に気付き、呆然とする。
しかし、呆けている暇はないと、優輝がアリシアの襟首を掴んで移動を再開する。
「っぐ……!?ちょ、優輝!離して」
「悪い、呆けている暇はなかったからな」
すぐにアリシア自身も呆けている場合じゃないと理解したため、その手はすぐ離れる。
アリシア以外も、呆然としている者がいたが、同じように冷静に状況を判断できる者が引っ張っていた。
「しかし、ますます不味い状況だよ。転移に転移を繰り返し、具体的な位置も分からない。距離の概念がないためか、入口近くで待機している連中の気配も感じないよ。……葉月の気配すら」
「うぁー、ただ単に私の気配察知が届いていないかと思ってたら……ホントだよ。蓮さんとの繋がりも感じられない……契約自体は
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