暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第208話「決死の撤退」
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合いを詰める。
 サイドからの挟撃。護衛を緋雪が吹き飛ばした今、ソレラ自身が対処しなければならない……かに思われた。

「嘘……!?」

「リカバリーが、早い……!」

 それよりも早く、他の神が防ぎに入った。

「“守られる性質”を甘く見ましたね」

「っぐ……!?」

「ぁああっ!?」

「ッ……!」

 攻めに入った三人は、割り込んだ神によって吹き飛ばされる。

「……そうかい?」

「……はい?」

 だが、それとは別に動いていた者もいた。
 発言したのは紫陽。そして、発現と同時に何人かの砲撃魔法が放たれた。
 ……尤も、その攻撃もあっさり防がれたが。

「守る者に影響を与える。その効果をある程度は推測してたさ。三人の攻撃が通用すれば……とも思ったけど、備えあればってね……!」

「息を合わせて!」

「はい!」

「ッ……!」

 術式が起動する。
 とこよ、ユーリ、サーラが強力な一撃を放とうと、力を溜める。

「誰かが割り込むのは予想済みさ!そして、その分包囲が薄くなる。そこを突破しようって訳さ!」

「ッ……!」

「邪魔はさせない」

 紫陽の言葉を聞いた瞬間、ソレラの動きを阻止するために優輝が動く。
 創造魔法による剣群、霊術の嵐、砲撃魔法。
 それらを一斉に放ち、さらに転移魔法からの近接戦も仕掛ける。

「くっ……!」

 当然ながら、今までと同じようにその攻撃は通じない。
 だが、目的はソレラの打倒でも、足止めでもない。
 狙いは、他の神の邪魔をされないための牽制だ。
 それは優輝だけでなく、手が空いていたクロノやユーノも行っていた。
 魔力弾が、バインドが、砲撃魔法が神々の包囲に向けて放たれる。

「「「「ッッ―――!!」」」」

 果たして、時間稼ぎは成功に終わる。
 四人の攻撃は無事に放たれた。
 吹き飛ばされた緋雪達は、鈴が回収して既に体勢を立て直している。

「よし、これなら……!」

 直撃した事に、誰かが声を漏らす。

「……無駄ですよ」

「ッ……!?」

 だが、それを否定するようにソレラの声が響き渡る。
 四人の攻撃による煙幕が晴れ……破壊出来ていない結界と、攻撃を防いだ神がいた。
 
「気づいていれば、カバーする事など容易です。……まだ侮っているのですか?」

 嘲るように、ソレラが冷たく言う。
 未だに牽制となる魔力弾や砲撃魔法が飛び交っているが、それも防がれる。

「侮っちゃいなかったが……こいつは予想外さね……」

「やっぱり、斬った方が良かったかもね……」

 実際に攻撃した紫陽ととこよが悔しそうに言う。

「やはり出し惜しみはなしです」

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