第四章
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二人の目の前に一軒のログハウスがあった、ルイーザはそのログハウスを見ながらそのうえでセリューに話した。
「生きている存在の気配はしないわ、けれど」
「私も感じるっすよ」
セリューもとだ、そのログハウスを見つつ答えた。
「あのログハウスには誰も生きている人はいないっすが」
「強力な魔力を感じるわ」
「そうっすね、ではっす」
「あのログハウスの中に入りましょう」
ルイーザが言うとセリューも頷いた、そしてだった。
二人で生きている者の気配が一切しないログハウスに入った、するとベッドには鬼族の屍既に白骨化しているものがあり。
本棚には多くの本があり机に開かれた書があった、ルイーザとセリューはその書を読むとそこには生物や植物を巨大化させる研究について書かれていた。
それは魔術だけでなく科学や錬金術についてだった、ベッドで寝ている鬼が書き残したものであることは明らかだった。
鬼は医師であったが生物や植物を巨大化させてそれを食料増産に役立てようと考えていたと書かれていた、その研究をしているうちに医師は寿命が尽きたのだ。署の最後には志半ばで寿命が来た無念が書かれていた。食虫植物達も実験材料として持ち込んだことも書かれていた。
そして研究の成果である生物や植物を巨大化させる光を発する石を生み出したとあったがその石の所在はというと。
家の中だった、その一隅に黄色い光を発する丸い石があった。書にはその石は夜に輝くとも書かれていた。
書を全て読み石を見てだ、ルイーザはセリューに話した。
「あの石をね」
「持って帰るっすね」
「ええ、アナーバーのギルドに戻って」
そしてというのだ。
「事情を説明しましょう」
「そうっすね」
「それでこの石は」
「政府で大事に保管っすね」
「そうするっす」
こう言うのだった。
「ここはそうするっす」
「そうしましょう、夜にしか光らないらしいから」
「書には黒い布で包めば光は出ないとあるっす」
「なら保管は簡単よ」
「そうっすね、石を何とかすれば」
「今回の依頼は終わりよ」
「そうなるっす」
セリューはルイーザの言葉に頷いた、そしてだった。
二人は石を回収して実際に黒い布で幾重にも包んでそのうえで森を出た、森の中にはログハウスに入って光を浴びて巨大化した虫や夜に自然に光を浴びたこの世界独特の自分で移動出来る種類の植物達がまたいたが二人は彼等も倒していって街まで戻った。そうしてギルドに石を出してことの次第を話した、それでだった。
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