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Blazerk Monster
抜き打ち勝負!
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?」

 奏海は困惑したままだったが、明季葉はハッとして顔を上げる。

「うん……涼香、苦しそう」
「で、でも具体的にどうやれば勝つ方法があるんですか?」
「それを今から考えるんだ!」

 対岸の千屠はあくびをしながら突っ立っている。そこへ涼香が話しかけた。

「さっきから……私達のことに随分詳しいのね。十五分そこらあの子たちの会話を聞こえたくらいでわかる範囲じゃないことまで知ってるみたいだけど」
「涼姉?」

 表情は辛そうで、頬には汗をかいているのが見えた。涼香はこちらにちらりと視線を向けた後頷く。それで巡は意図を察した。

(そうか……だったらやるしかないぜ)

 川を挟んで話しているといってもそこまで距離は離れていない。ここで声を潜めて作戦会議をしても、千屠には聞こえる可能性もある。だから涼香は意識を逸らしにいったのだ。
 それを小声で二人に伝え、作戦を立てる。三分間は、異常に早く過ぎ去った。

「時間だ! 答えを聞こう!」
「ああ、目にもの見せてやるぜ!」

 千屠は右手の人差し指と親指を立ててピストルのようにして、軽い態度で聞く。オオタチと、明季葉のフクスローが向かい合った。

「あれ? フクスローだけ?」
「話し合って分かった……フクスロー一匹で十分。『葉っぱカッター』」
「へえ! だったらどこまで凌げるか見せてくれよ。『居合斬り』!」

 とぐろを巻いた態勢から体を伸ばす勢いを使った居合が葉っぱを全て切り裂く。そしてまっすぐ伸ばした体で『電光石火』を繰り出してフクスローを狙う。だが、その体を捕らえられずすり抜けた。フクスローの『影分身』だ。
 
「フクスローは飛ばした葉っぱを曲げられる……飛ばした方向を錯覚するくらい造作もない。『葉っぱカッター』!」

 オオタチの背後から数枚の葉っぱが飛んでくる。反転して逃げる前に体を薄く裂いた。

「ダチ、『電光石火』!」
「オオンッ!」

 再びまっすぐ伸ばした体での突進をするが、やはり当てられない。そして動きが終わったタイミングで再び木の葉が飛んでくる。周りの木々に隠れて撃っているのだろう、フクスローの能力も合わさり発射場所が絞れない。

「なるほど、他の二匹は隠れられなさそうだしね、だったらフクスロー一匹に託したほうがいいって戦法か」
「あなたは技で素早さが下がっても関係ないって様に見せたけど実際には綿胞子や電磁波は効いてるはず……違う?」
「ふーん、そこに気付くとはね……でも、まさか俺のダチが電光石火と居合切りしか使えないなんて思ってねえよな? ダチ、『吠えろ』!」
「まずい、耳を塞ぎなさい!」

 オオタチが思い切り息を吸い込む。それだけで回りの木々がざわざわと揺れた。巡達三人が涼香の指示に従い咄嗟に耳を塞
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