ターン11 鉄砲水の襲撃者
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これよりお目にかけますは、無から有を生み出す稀代の召喚術。かたやカーテン・ライザー、そしてかたやダンディ・バイプレイヤー。彼らはともに、その代わりのいない唯一無二の効果を持つ私の演者たち……ですが、あくまでも単体ではただのモンスターにすぎません。しかしそんな彼らが一堂に揃う時、紫毒の竜牙がその目を覚ますのです。私のフィールドに揃いし闇属性ペンデュラムモンスター、カーテン・ライザーとダンディ・バイプレイヤーをともにリリース!』」
「ペンデュラムモンスターをリリース……?」
「やーっぱりな」
2体の魔界劇団が飛び、空中でひとつの渦となって溶け合い混じりあう。そしてその渦中から、全く新たな姿となったドラゴンが現れる。
鳥居の【魔界劇団】は本来、メインデッキのペンデュラムカードだけでも十二分の戦闘力を誇るカテゴリである。しかしエクストラデッキに「頼らなくてもよい」のと「頼らない」のには天と地ほどに違いがある。いかなる場合も柔軟な発想を持ち、あらゆる局面に持てる手札と力を存分に使い対処する。それは一見すると当たり前のことを言っているだけのようだが、基本的なことだからこそそれを守ることが彼なりの美学であった。
「『この方法をとることで、このカードは融合魔法なしでの正規召喚が可能となります。融合召喚、千の顔持つ蟲毒の竜!覇王眷竜スターヴ・ヴェノム!』」
かつての閲覧室に積もった埃を巻き上げつつ、紫の竜がその両足で床を踏みしめる。微かに発光する明るい緑色のラインを全身に走らせたその竜は、しかし同じスターヴ・ヴェノムの名を持つスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンよりは全体的にやや小柄な印象を持つ。その特徴である全身に実る果実のようなエネルギーの塊もあちらと比べると明らかに少なく、異様に長い蔦のような尾もやはりあちらと比べ短い。
しかしその小柄さは、決して両者の間の力の差を感じさせるものではない。全身を小さくまとめることで余分なパワーを削ぎ落し、より小回りとスピードに特化した変種といった佇まいすらも感じさせる。
覇王眷竜スターヴ・ヴェノム 攻2800
「『それではいよいよクライマックス、スターヴ・ヴェノムのその力を今こそ開放いたしましょう!スターヴ・ヴェノムは1ターンに1度、互いのフィールドまたは墓地に存在するモンスター1体を選択することでそのターンの間だけ選んだモンスターの名前と効果を我が物とし、さらに私のモンスター全てに貫通能力を付与いたします。私が選ぶのは当然、私自身の墓地に存在するインディペンデント・ナイチンゲール。ペルソナ・チェンジ、インディペンデント・ヴェノム!』」
紫毒の竜が吼え、茨のような無数の触手を背中から一斉に伸ばす。触手は突如として空中に開いた冥界へとつながる魔方陣に吸い込まれ、その先ですでに墓
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